酒場のマスターはトリッパー

20杯目 ページ22

「・・・」

太宰さんの笑顔が固まった。

「これが私のありのままですけど、刺激強かったですか？」

「あぁ、ごめん。ちょっと気を失っていたようだ」

せめて笑顔解こうか。

というか私の本性そんなにですか。

「ちょっと傷つきましたよ」

「違う違う、私が気絶したのは



私と芥川君を一緒くたにされたのが、どうもね・・・」

そんなに⁉

そんなに僕君は毛嫌いされているのかっ⁉

不憫すぎるよ⁉

「この前僕君が来て、太宰さんと似たようなこと言っていたもので。影響ですかね」

(ムゥ・・・)

「なんですか・・・？」

「芥川君だけマスターにそんな呼び方されて、私には無しかい？」

「それはどういう

「芥川君と一緒にされただけでなく先を越された私の気持ちも考えてくれ給えよ」

「・・・」

あーダメだ。

コイツらダメだわ。

「ホントあなた達は私になにを求めてるんですか！」

「あっ、ほら、また私と芥川君を一緒くたに

「こ・た・え・ろ・・・」(ニコッ)

「・・・私はね、マスターと親しくなりたいだけなのだよ」

「はぁ」

「敬語じゃなくて、もっと楽しくいこうじゃないか！」

そう言って太宰さんは両腕を勢いよく上に挙げた。

私は静かに水を出し、いつの間にかカラになっていたワイングラスを下げた。

「ちょっと落ち着きましょうか」

「すまない、少しはしゃぎすぎてしまったかな？」

大分な。

こんな深夜テンションな太宰さ・・・


いや、思えばいつもこんな感じか？

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