オーバーブロット ページ24
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「な、なんだよあれ……」
寮生の一人が呟く。
リドルは禍々しい姿へと変貌していた。寮服は赤と黒のボロボロのドレスへ変わり、黒いインクが蔦のように腕に巻きついている。背後にはインク壺の頭部に王冠を被った巨大な怪物の姿。
「ああ、なんてことだ！ 私がついていながら生徒をオーバーブロットさせてしまうなんて！」
オーバーブロットとは魔法の使い過ぎによって感情と魔力のコントロールを失って暴走してしまう状態である。ファントムと呼ばれた背後の怪物は術者の負の感情が詰まったブロットをエネルギー源としており、術者の限界魔力量以上の魔法を行使させることでブロットを吸収していく。そうして最終的に魔力が底をつき、術者本人が消滅するとファントムだけが世界に残される。
Aは数日前に図書館で調べたことを思い出し、顔色を変える。つまりこのまま魔力を放出し続ければリドルが命を落とす可能性があるということだった。
「ローズハートくんの魔力が尽きる前に正気に戻さなければ。命を失うことも最悪ですが、さらに最悪なのは……」
学園長はそこで言葉を切り、他の教員と寮長たちに応援を要請するようエースたちに指示しようとした。だが全て言い終える前にエースとデュース、グリムが揃って魔法を放つ。
「アイツ、あのままじゃ大変なことになっちまうんだゾ！？」
「流石にそこまでいくと寝覚めが悪い。それに……」
「まだ『ボクが間違ってました、ごめんなさい』って言わせてねーし！」
何としてでもリドルを元に戻す。メンバー全員の考えは同じだった。
「ああもう……生徒を避難させたら私もすぐに戻りますから！ それまで耐えてください！」
学園長が他の生徒を避難させている間にトレイとケイトも戦闘に加わる。トレイがリドルのユニーク魔法を封じている隙にエースたちが再び攻撃を開始するが、だいぶ苦戦しているようだった。
Aは怪物の頭部にこっそりと呪いをかける。不自然にできたヒビに怪物の動きが鈍くなり、リドルにも隙が生まれた。それは小さな小石が窓ガラスに当たるのと同じものだった。一度に突き破ることはできなくとも、一度亀裂が入ってしまえば枝のように広がり、やがて崩壊する。
五人の魔法士は同時に怪物目掛けて魔法を放った。彼らのうちの誰がトドメを刺したのかは定かではない。だが、粉々に砕け散った頭部は戦いの終わりを告げていた。
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リー・マキトータ(プロフ) - 珠梨さん» 大爆笑しました🤣 ちなみに読みは『エウシーダ』で、二つのスワヒリ語を合体させた造語です。 (4月1日 14時) (
レス) id: 042fe54ac4 (このIDを非表示/違反報告)
珠梨(プロフ) - タイトルを入試だ☆と読んでしまった自分は…… (4月1日 14時) (レス) @page2 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リー・マキトーマ | 作成日時：2020年2月28日 9時
