+１５５+二人目 ページ10
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静かに瞼を伏せる恭弥さんの顔を眺めていれば私が入ってきた方…
先程潜った扉の先から足音が聞こえ、そのまま視線の先の扉が開かれた。
なんとなく察しは着いていて
その想定の相手の身長に合わせて視線を持ち上げ、扉に近寄る。
推測通りに相手の視線と私の視線は交わった。
相手は私に何かしらの挨拶をしようとしていたのか
扉が開いた瞬間の彼は口を開きかけていた。
きっと彼のことだ、気を失っていた状態からの目覚めだとは思わせないくらい
いつも通り、気さくに「よっ」なんて声をかけてくれたかもしれない
だが、今
『お体の調子はどうですか、山本くん』
小声で挨拶を交えながら起きた直後の相手には申し訳ないとは思いつつ
私の肩より少し高い、その肩を
トンッと押すように入りかけた彼を扉の外へと追いやる。
交わった視線、その相手は唯一目覚めの兆しを見せていた彼だった
そんな気はしたが、その肩に赤ん坊くんを乗せていたのは予想外だった。
眠っていた体は多少なりとも訛っていたらしく
「おっ…と、」と少し気の抜けた声を漏らしつつ体制を崩しかけた
そんな彼のしっかりと筋肉がつき私より少々太い腕を掴み
病室とは反対側に傾く彼の体を支えた。
…勿論、彼の怪我はあの時しっかり把握したから
掴む腕は噛み傷を受けた左腕ではなく、しっかり右腕を選んだ。
多少の体格差に少しグンッ、とブレるが
それなりに鍛えていることもあり、何とか持ちこたえる。
同時に、もう一方の手を後ろ手に扉を８割程度閉めて
彼の体の傾きが停止し、彼が自立したら落ち着いて音を立てぬように閉め切った
ちゃっかりと彼が体勢を崩すと
即座に彼の肩から床に降り立った影は一連の流れにほくそ笑む。
ぱちくりと目を瞬かせて、私に視線を投げかける彼は
何が起きたのか分からないというような表情を浮かべている。
『失礼しました。恭弥さんは些細な音でも起きてしまいます
手負いの身とはいえ彼のことですから…
起きてしまいかねないので急遽措置を取らせていただきました。』
固まったままの山本くんを少し低い位置から覗き込むように視線を合わせ
ゆったりと声をかけると少し驚いたような表情をして
やった私の行為の意味を理解したようで「あ、あぁ」と短く応える。
この短いやり取りの後、私に対して「いい動きだったぞA」
と、赤ん坊くんはいつもの笑みを添えて、私を賞賛した。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
