+１７９+何にも変え難い命 ページ34
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｢雲雀恭弥。｣
彼の口から発せられた言葉は明確な私の｢核｣とも言えるものを指した。
深いところまでも見つめるように中を探られるような
様子を伺うような視線に若干動揺しかけたが何とか外へ漏らさないよう努めた。
別に彼を敵視しているわけではない。
敵意を感じたわけでもない…だが彼は確かに私にとって警戒対象だった。
「貴女は彼に従い、彼のために多くを習得してきた。
それに至る理由も貴女が経験した出来事はリボーンから聞いています」
黒曜での六道骸との戦いの後、病院で対峙した赤ん坊くんから
おおよそのことを把握していることは大体察しがついている。
なんなら、当人であるはずの私と同様か
はたまたそれ以上に「あの男」のことも把握している可能性すらある。
…しかし、困ったことに彼の口は想像よりも軽かったらしい。
他言無用といったわけでもないし
今更彼に言及した所で、と諦めてもいるから咎める気もない。
むしろ沢田君たちならそれを知ったなら
私を巻き込まないように気を使ってくれそうですらある。
…それはそれで私の身の、命の安全のためには良いのかもしれない。
だが情報を共有する相手は選んでほしかったな。
そのあたりの匙加減ができない、しないあたり赤ん坊君らしいとも思う。
が、随分と厄介な人物に私の過去把握されてしまったのだと
今更ながら痛感し、彼のあの笑みを思い浮かべると苛立ちすら湧き上がった。
さて、今の問題はそこじゃない
目の前のこの存在をどうやって退くかが問題なのだ。
おそらく…いや十中八九、彼もまた赤ん坊くんと同じような部類で
長々と相手にした方がこちらが不利になっていく。
相手にするなら短時間で切り上げないとペースを持っていかれるだろう。
『そうですか、では聞いていた通りですよ。
私は彼によって生き永らえた
ゆえに彼の求める人材で生き続けることで報いたかった…
一方で、恩返しを履き違えていたことに最近赤ん坊君によって気付かされましたが
考え方、捉え方を見つめなおすことは決めましたが…やることは変わらない。
…私は私のために生きて
その上で、彼のためになるように彼の隣に立てるように
そのための力をつけていく、戦っていく。』
「…だから」と繋げた言葉が一気に重くなるのは何故…？
だって、これが私の本心。物事に優劣が付くのは当たり前のことだ。
彼らより戦えるとしても、彼らの命が危ぶまれても
…私だって自分が一番大切で、命が惜しい。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
