+１７８+蛟竜毒蛇の瞳 ページ33
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Ｆ side
彼の予想は的を得ていたようで
伝えられた予測の通り、彼女の眉間に小さなシワが寄った。
いま彼女は己の命と彼らの危機という
捨てがたい命と、見捨てがたい命の２項を天秤にかけ、揺れている。
リボーンから彼女を任されるにあたって過去やそれによる今も残り続ける心の傷
そして少しずつ変わり始めた兆し。…一通りの情報は聞き及んでいる。
聞いているからこそ彼女には感服すらしている。
十五という、幼いすぎるその歳で心の傷から溢れ出しそうな
痛みや血を抑え込み、外へ流さないよう
ギュッと内へ内へと肩を抱き、身を固めるように必死に耐えて生きてきたのだろう。
彼女の凄惨な過去の事件を聞けば即座に断ってもおかしくないとさえ思っていた。
彼女がその選択をしても私やリボーン、沢田綱吉
そして雲雀恭弥すらも文句は言えないと、それが普通だと思っている。
普通ならばボンゴレリングを置き去りに、巻き込むなと一蹴するべきだろう。
でも、それをしないのは彼女の根がそういった人柄であることを指していた。
沢田綱吉をお人好しだなんだと言っていたこともあるらしいが
彼女も大層なお人好しと言えるだろう…言ったら怒られてしまいそうですけどね。
彼女の実力面は対面した時から高く評価しているつもりだ。
過去の背景もあるのだろうが、周囲への察知能力の高さ
リボーンに聞いた限りの過去の戦闘の様子。
そして彼女の「役割」に必要とされる分析能力と判断力
だから、リボーンが彼女じゃなくちゃいけないと言ったのだろう
…実際に量ったからこそ、あの男にそこまで言わせた意味が理解出来たからこそ
私は彼女を頷かせなければならない。
歳にそぐわない死への強い
私の「言葉」では決定打を打てないというのなら大人のズルを行使するしかないのか。
自身の根底にある良心が、動き始めた口を制止しようとするのを
自分は大層ズルい大人で、やむない選択だと押し込め私は彼女の名前を口にする。
ほんの少しだけ怯えたようにすら見える微かに揺れた瞳が私を捉えた
凛とした瞳は歯切れがいいとは言えない私の声を聞いて少々警戒するように
私の考えを、その奥の内面を探るように深いところを見つめているような気がした。
…あぁ、あの男はこうも言っていた。
彼女に対しては自身ですら時々警戒してしまいそうな
その名を体現するかのように、蛇のような鋭い何かを感じてしまう、と。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます！地道に更新頑張らせていただきます！ (2020年7月9日 17時) (
レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：睡-ｽｲ- | 作者ホームページ：https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時：2020年5月3日 14時
