+165+小娘 ページ20
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「ツナを放せ!!」
鋭く振るわれた鞭の隙間をかいくぐり、私は私で接近する。
相手は爆発物を持っているのは気付いていた
しかし、何かを取り出す様子は見受けられなかった。
身近にいい例が居るので
あの剣に何かが仕込まれている可能性も念頭に置いていた。
おかげで進行方向に放たれた爆発物…
その小ささから爆弾というよりは火薬と呼ぶべきか
…それが、放たれた事には瞬時に反応できた。
きっとディーノさんなら彼らの方に駆け寄る。
ならば私がすべきはこっちか。
煙の流れは後方へ。
おかしい。前方に放たれた火薬ならば前方に靡くものだ。
なぜ後方に流れたのかなど考える必要もない。
「貴様に免じてこいつらの命は預けといてやる、だが」
煙の中、相手は目視出来ないが声が聞こえる。
それだけで私なら正確な位置も把握できる、むしろ有り難い。
一気に詰める。ただ後方に詰めていてはお店に衝突してしまう。
相手は推測上でも、声の位置でも上だと確信できる。
「“こいつ”は頂いていくぜぇ…ゔお゛ぉい!!」
その声は凄く近く聞こえた。
私は基本的には自身が音に敏感ゆえに意図せずとも音を抑えて動く
加え、今は意図的に音を極めてゼロで動いた。
彼が何者でどれほど強いのかは知らないが
目的のものとやらを手にした直後、彼のその傲りもあって虚を突いた
『それについては知りませんけど…』
「!!」
『
彼の隣から準備運動の伸脚の深い状態を横向きにしたような状態で
左手を地につけて支えにし、かなりの低姿勢から鉄扇を振るう。
何か箱を持ち、沢田くんらに見せびらかしていた右手を狙った
…風に見せ、きっと反応され、向けられるであろう左手を早々に払う
左下から右上へ打ち上げるように鉄扇で剣が固定された左手を払い
左手を地面につけたまま右足をスライディングのように前に回し
体をうつ伏せ→仰向け、と回転させつつ左足を起こし、蹴り上げる。
少々身長…足の長さが足りなかったか
相手の顔をかすめ、少し赤く線が走るが手ごたえがない。
一連の流れを終え、私は左膝を立ててしゃがんだまま
相手はかすめたと同時に2歩くらい後退する。
「ゔおぉい!!貴様…どこの所属のもんだ」
『どこ…特にどこにも。風紀委員にも入ってませんし』
「! カタギか。良い動きをすんじゃねぇか小娘ェ」
男の小娘呼ばわりに静かに苛立ちを覚えた。
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睡-スイ-(プロフ) - 阪サッカーさん» お返事遅れました、嬉しいコメントありがとうございます!地道に更新頑張らせていただきます! (2020年7月9日 17時) (レス) id: deb52841c7 (このIDを非表示/違反報告)
阪サッカー(プロフ) - 面白くて、読み応えがあって、何より続きが楽しみです。お身体に気をつけて、無理しない程度に頑張って下さい。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: d96a890ddc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡-スイ- | 作者ホームページ:https://twitter.com/sleep_d_urtk?s=09
作成日時:2020年5月3日 14時