20話 ページ21
「う"ぉい。どこでそんだけの知識をつけた？勉強する時間はなかったはずだろぉ"。」
スクアーロの言う「勉強する時間」とは、ヴァリアー城に来てからのことか、はたまた今までの境遇のことか。
スクアーロの質問に、名前はペンを走らせる。手短に書かれたメモにはこう書いてあった。
『あちこち転々とするうちに、覚えました。』
その答えに全員が納得してしまった。名前はこの7年間で10ヶ国以上をタライ回しにされ、非道な扱いをされ続けたのだ。当然、新しい土地へ行っても教えてくれる者なんていなかっただろう。自力で覚えるしかなかった名前の立場に、思わずルッスーリアは目に涙を浮かべた。
「…そうかぁ"。」
スクアーロは名前の髪をわしゃわしゃと撫でると、初めて優しい目を見せた。そしてなぜだかベルも名前の頭を撫で、それからマーモンを離して名前を抱き上げた。名前は抵抗もせずお人形状態で抱えられている。
「とにかく！今日の夜は名前ちゃんの歓迎パーティねぇ〜！！」
気合いの入った声でルッスーリアがそう言うと、名前は慌てて紙にこう書いて見せた。
『歓迎パーティなんてされるような身分ではありませんので』
「あら！ヴァリアーに来たからには身分なんて関係ないわよ！」
名前から紙を取り上げるとルッスーリアはにっこり笑って言った。ヴァリアーは縦の関係が厳しくはあるが、それはXANXUSという絶対的なボスへの忠誠と、幹部たちの強さへの敬意であり、出自は関係しない。完全に実力主義の世界だ。
「パーティのことはルッスーリアに任せるとして…ヴァリアーに入隊したなら所属を決める必要があるよねスクアーロ。」
ベルから解放されてふよふよと気ままに浮いていたマーモンが、スクアーロへ話を振る。スクアーロも頷いて、1度部屋から出るとある物を持って戻ってきた。
「名前、このリングを指に嵌めて炎を出してみろぉ"。」
炎。ヴァリアーをはじめ、ボンゴレファミリーやその他多くのマフィアたちが主戦力に使っている死ぬ気の炎のことだ。何色の炎が灯るかによって、その本人の属性がハッキリし所属が決まる。
しかし説明されたところでなんのイメージもないため分からない。名前はとりあえず、1番左端にあったリングを指に嵌めてみた。
ボウッ！！！！
するとリングを嵌めた瞬間、とてつもない量の紫の炎がリングから吹き出した。名前はその炎に驚いて、急いでリングを外した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしくお願いいたします。 (2022年6月14日 8時) (
レス) id: 6425fa7392 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - こちらこそ、親切に教えてくださってありがとうございます!! (2022年4月16日 0時) (レス) id: 069036dd65 (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» わざわざ数ある中から探していただいて、ありがとうございます…！ (2022年4月16日 0時) (レス) @page2 id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 了解致しました！先程フォローさせていただきました！よろしくお願い致します(*´`)♡ (2022年4月14日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
巫女月 - みっきーさん» 作品名も一緒にユーザー名に書いてありますので、かなり分かりやすいかと思います…！ (2022年4月14日 1時) (レス) id: 44a9584735 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：巫女月 | 作成日時：2020年12月23日 2時
