今宵､月の館にて｡《星空ブリキハロウィン企画2023 第1弾》 (ページ8)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:768 hit

⌘ ページ8

お父さんとお母さんたちを、どうする気だろう。

宗｢君の両親は、すでに昨晩殺した｣

『ぁっ……………!?』

宗｢さっきも言っただろう。
こうして彷徨(さまよ)っているのはフェガリ家の人間を1人残さず殺すこと｣

みか｢その目的は、残り君だけや。
君を殺したら、この世に彷徨う理由も無うなってまうけどな｣

その時、頭の中でぐるぐると、何かが回る感覚がする。

脳みそごと回転させられているかのように、とても気持ち悪い。

それに、心臓を押しつぶされているような苦しさもある。

痛いなんてもの、そんなの感じない。苦しくて、息ができなくなる。

水の中で溺(でき)死するほうが楽かもと思うほど苦しい。

意識が遠のく中、わたしは、目の前の操り人形のように

手足が糸に引っ張られているなずなを見つけた気がする。

『なずな!』って叫びたかったけど、そんなことできる余裕もなく。

意識は徐々に、苦しみの奥底へと沈んでいった……………。

、

、

、

、

御伽話として受け継がれていっている、この《月の館物語》。

でも、この《月の館》は、本当に作り話なのだろうか。

いいや、君のすぐそばの森にも、館が存在するかもしれません。

今宵月の館にて、あなたがくるのを待っている。

『今宵、月の館にて』完結