今宵､月の館にて｡《星空ブリキハロウィン企画2023 第1弾》 (ページ7)

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宗｢クックック……………なんと滑(こっ)稽(けい)な｣

一瞬意識が飛んで、気がつくと、

わたしの両手や足元に、よく見ないとわからないくらいの、

細い、細い、糸が、いつの間にかつながっていた。

刺されたような、縫われたような感覚もなく、

でも、糸で繋がってるわたしの体は、動かなくなっていた。

みか｢もしあそこで引き返せとったら、
こんなんになれへんかってんけどなぁ｣

宗｢そうだ、君が君でなくなる前に、一つ真実を教えてあげよう｣

『……………っ!?』

宗｢ここは、この館は、かつてフェガリ家が住んでいた館だ。
そして僕たちは、そのフェガリ家に殺されたのだ。
フェガリ家はまぁそれは権力を振り回すような貴族でね。
目的のためならば人をも殺すような人だった。
死して、亡霊となった僕たちは、フェガリ家を殺した｣

『っ!!?』

みか｢ここに誘われる人は、フェガリ家の末裔たちだけなんや。
俺たちは復讐(しゅう)をするために、ほんで
フェガリ家をこの世から消すためにこうして人を呼んでる｣

そういえば、思い出したことがある。

わたしが5歳の時、3歳上の友人がいなくなった事件があったんだ。

名前は、なずな。女の子みたいな名前だけど、男の子。

フェガリ家は二つに分かれたって聞いたことがあった。

一つはさっき言ったような虐殺を繰り返しさないが、

今まで通り、貴族としての暮らしを続ける人、

もう一つは、わたしが暮らしているように、

平民と一緒の暮らしをして行きたいと宣言した人。