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宗｢甘さのお好みはどれかね?｣
『えっと、甘さ控えめが好きです』
みか｢ほな、さつまいもと梨のパイがおすすめやで。
甘さが控えめで、せやけどほんのり甘うて、めっちゃうまいんや!｣
『へぇ、さつまいもと梨かぁ。じゃあそれで!』
すると、奥のキッチンと思われる場所が
小さくカチャカチャと音を立てた。
数分後、某呪いで姿を変えられたアニメ映画の如く、
次々と浮遊で食器やパイが運ばれていく。
びっくりはしたけど、怖くはなかった。
『いただきます!』
さくっと、パイ生地が心地いい音を立てる。
さつまいもと梨のそれぞれの甘さがちょうど良く、
食材の甘さが砂糖とは違う甘さで、美味しい。
『めっちゃ美味しい!』
宗｢そうだろう、そうだろう!
マドモアゼルが作る料理は絶品だからな｣
『‘マドモアゼル’……………?』
?｢お呼びでしょうか、お嬢様｣
そこには、金髪で、肌が白く、水色の服を着た女性が。
フランス人形のような綺麗さに、ほぅ、と、息を吐いてしまう。
ﾏﾄﾞﾓｱｾﾞﾙ｢初めまして。マドモアゼルと申します｣
『ルアン•フェガリです、初めまして』
ﾏﾄﾞﾓｱｾﾞﾙ｢我々は、あなたに少しでもこの館を
少しでも好きになってもらいたく、
一同、懸命に、特等席をご用意ます。
今宵は、どうなされますか?｣
『今日は、一夜ここで泊まらせてほしいんです』
ﾏﾄﾞﾓｱｾﾞﾙ｢わかりました。では、お部屋をご用意いたします｣
丁寧な仕草や声に、少しだけ意識が手放される感覚がした。
少し、くらっとくるような感覚。
声が綺麗だからかな。
去り際の動き方が、ぎこちない操り人形みたいだと思ったのは、
おそらく失礼に当たると思い、そっと心に閉じ込めた。
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作者名：星空ブリキ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Buliki/
作成日時：2023年8月23日 9時
