にゃんが八匹 ページ8
「杏寿郎は家で千寿郎くんとお留守番」
「嫌だっ、A、行っちゃ嫌だ!!」
ギュッと私に抱きついてグリグリと頭を擦り付ける杏寿郎さん(五歳)。
「杏寿郎、さつまいもいらないの?」
「Aと一緒に買いに行くっ!!」
「杏寿郎、スーパー行ったら走り回るでしょ。ダメ、千寿郎くんとお留守番」
千寿郎くんに視線を送ると、千寿郎くんが、杏寿郎さんの手を握る。
「…兄上?僕とお留守番しましょう?」
「嫌だっ、Aと離れたくないっ、嫌だ!」
「もう、急にどうしたのよ、杏寿郎。さっきまで元気いっぱいだったのに」
杏寿郎さんの頭を撫でて、ゆっくり離して、千寿郎くんに預ける。
「じゃあ行ってくるね」
「イヤっ!!いやー!!!A!!いやだぁぁぁぁぁ!!」
「ええぇ!!?」
大声で泣き出すので、私と千寿郎くんは驚く。
「どうしたの、どうしたのっ、杏寿郎〜、」
わんわん泣き出す杏寿郎は千寿郎くんから離れ、私の前に来て抱っこのポーズをとるので、抱き上げて、あやす。
「ほらほら、泣かないで、杏寿郎は鬼殺隊士なんでしょう?」
「行かないでって言ってるのに、ううっ、Aが、いなくなるからっ!お、れは!うっ、うう…」
ボロボロ涙を流す杏寿郎さん。
柔らかい頬にそっとタオルをあてて、あやす。
「杏寿郎、お留守番しないと、さつまいもお菓子買って来れないの。いいの?」
「Aと一緒に行くっ……うう……ふぇ…うぅ…」
この中で一番驚いて固まっているのは千寿郎くんである。
兄の姿と泣いてる事に驚きが隠せないのだろう。
「杏寿郎、お店ではしゃいじゃうからダメなの」
「はしゃがないっ…俺、Aのとなりにいるっ…」
「本当に?」
「うん」
「鬼殺隊ごっこしない?」
「うん」
私と千寿郎くんは顔を合わせて考える。
「どうする?千寿郎くん」
「……行かせますか?」
私も「そうだね」と頷いた。
きっと私だけ行ったらまた杏寿郎さんが泣き出すかもしれない。
杏寿郎さんの声爆音だから、気をつけないと。
私は杏寿郎さん(五歳)と家を出た。
千寿郎くん(十三歳)には夜ご飯を作ってもらうことにした。
ある程度キッチンの説明をして、彼はすぐに理解した。
さすが千寿郎くん。
***
「杏寿郎、鬼殺隊ごっこはなしだからね」
「うむっ!」
「シートベルトちゃんとした?」
「このひも、だろう?うむ!」
私はスイートポテトとさつまいもお菓子を買う為に出た。
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丸(プロフ) - グミさん» わぁぁ!!グミさま〜!!お優しいコメントをありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。グミさまの心を少しでもホワホワさせることができたのなら幸いです!こちらこそ長い間お付き合い下さりありがとうございました!<(_ _*)> (1月30日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - 途中まで読んでいて、でも忙しくて全然読めてなかったのですが、ちらっと除くと完結、と出ていたので一気読みしてしまいました!2人と別れる時、涙が溢れてきました。でも!再会できて良かったです!!しあわせになって、良かった…!コメント失礼しましたm(*_ _)m (1月30日 6時) (レス) @page50 id: 9cb77040e4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - maxiahさん» お久しぶりです!maxiah様!(*´∇`)心が浄化されましたか!それは光栄の極みです!!長い間おやすみしていたのにも関わらずお優しいお言葉胸にしみます(*/-\*)素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2022年4月7日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
maxiah(プロフ) - お久しぶりに拝見させていただきました。はぁ心が浄化されます。好きです。 (2022年4月6日 22時) (レス) @page37 id: f2fb6597c0 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 墨染さん» わぁぁ!墨染さまっ!こんばんは!こちらこそ、墨染さまとお話する時は安らぎの一時です!いつもありがとうございますm(_ _)mこれからも、墨染さまを幸せにできるようなお話作りを頑張ります…!(*´▽`*) (2021年7月6日 22時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
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