にゃんが九匹 ページ9
「えぇっと、これと、これでいい?」
「うむっ!」
私と手を繋いで超ご機嫌杏寿郎さん(五歳)。
先程までのぐずりっぷりは嘘のよう。
「Aっ、いもっ!芋!!」
「杏寿郎は結構面白いね〜!」
お菓子コーナーで興奮するのではなく、お野菜コーナーで大喜びとは……全国の親御さん泣いて喜ぶよ。
「わっしょ……ふぐぐ」
杏寿郎さんが大量のお芋に興奮し過ぎて叫びそうだったので慌てて口を塞いだ。
「杏寿郎、わっしょいはダメ。スーパーでは静かに」
「むぅ……わかった」
「よしよし!偉いっ!」
頭を撫でるとパァァァッと嬉しそうな顔をして、クリクリのお目目が輝いている。
「え、なに、この子。可愛過ぎじゃない!?ちょっと子役も夢じゃないんじゃない?」
「…えへへ…ゎ、わっしょい!」
小さな声でわっしょい、と喜ぶ杏寿郎さん(五歳)に私は胸の高鳴りを抑えた。
くっ、ウチの子が可愛い!!
全国の親御さんの気持ちがわかる気がする。
ウチの子が世界一可愛い!!
ま、ウチの子と言っても私が産んだわけではないのだけど。
「お芋、スイートポテト買ったし、帰ろうね、杏寿郎」
「うむっ!」
小さいお手手をギュッと握って、私達は買い物を終えた。
***
「おーい、よもよも〜、起きて」
「むぅ…」
杏寿郎さん(五歳)は沢山泣いたから疲れちゃったのだろう。
帰りの車でもうぐっすりだった。
とりあえず起こしてみるが、すやすやの為、シートベルトを外して抱き上げる。
「よいっしょ」
杏寿郎さんを抱き上げたあと、片手で荷物を持とうとしたが、杏寿郎さんを片手で抱き上げるのは腕がプルプルしてしまい不可能だった。
「おんぶにしよう」
杏寿郎さんを背負って、買い物袋を持って、一回のアパートの鍵を開けた。
開けるとフワリといい香り。
「あっ、Aさん、おかえりなさいっ」
「わぁぁぁ、千寿郎くん、ただいま〜」
キッチンに行くと、料理が出来ていた。
「千寿郎くん料理できるの!?本当に凄い」
「早くに母を亡くしたので……」
「……そうなんだ。私も同じ、一緒だね…」
この子達も早くに亡くしたのか。
亡くす気持ちはよく分かる。
周りを見ると、友達の目、腫れ物を扱うかのような態度。
どれも私のためを思ってだろうが、色々と大変だったものだ。
そっと手を握ると、優しく微笑まれた。
「兄上、ぐっすりですね」
「そうなの。泣いちゃってたからね」
そっとベッドに寝かした。
675人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
丸(プロフ) - グミさん» わぁぁ!!グミさま〜!!お優しいコメントをありがとうございます。゚(゚´ω`゚)゚。グミさまの心を少しでもホワホワさせることができたのなら幸いです!こちらこそ長い間お付き合い下さりありがとうございました!<(_ _*)> (1月30日 11時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
グミ - 途中まで読んでいて、でも忙しくて全然読めてなかったのですが、ちらっと除くと完結、と出ていたので一気読みしてしまいました!2人と別れる時、涙が溢れてきました。でも!再会できて良かったです!!しあわせになって、良かった…!コメント失礼しましたm(*_ _)m (1月30日 6時) (レス) @page50 id: 9cb77040e4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - maxiahさん» お久しぶりです!maxiah様!(*´∇`)心が浄化されましたか!それは光栄の極みです!!長い間おやすみしていたのにも関わらずお優しいお言葉胸にしみます(*/-\*)素敵なコメントをありがとうございました!m(_ _)m (2022年4月7日 17時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
maxiah(プロフ) - お久しぶりに拝見させていただきました。はぁ心が浄化されます。好きです。 (2022年4月6日 22時) (レス) @page37 id: f2fb6597c0 (このIDを非表示/違反報告)
龝(プロフ) - 墨染さん» わぁぁ!墨染さまっ!こんばんは!こちらこそ、墨染さまとお話する時は安らぎの一時です!いつもありがとうございますm(_ _)mこれからも、墨染さまを幸せにできるようなお話作りを頑張ります…!(*´▽`*) (2021年7月6日 22時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ