子猫と勘違いして煉獄兄弟拾って来てしまった女性の話。

にゃんが二十匹 ページ20

はぁぁ、リビングに行きたくない。
行ったら絶対に杏寿郎さん居るし…もうお見苦しいものを見せてしまい、辛いったらありゃしない。


なんか私ばかり暴れてたけど、杏寿郎さんは私の為を思ってくれてしてくれたことなのに……ああぁ！！もう恥ずかし過ぎる。


でも、気まずくなるは嫌だし。
ここは奥義！！開き直りを使うとしよう。



ガチャッと扉を開ける。


「あー！お風呂気持ちよ……きょ、きょ…杏寿郎さん！！！？何しているんですか！！千寿郎くんまで！！」



私の開けた扉の先で、正座をして包丁を構えている杏寿郎さんと、後ろで真剣な顔で控えている千寿郎くん。これは＿＿＿＿＿！！


『切腹』！！？




「ちょ、早まらないでください！！何しているんです！！」
「Aの嫌がる事をしてしまった！！本当に申し訳ない＿＿！！」
「Aさん、兄上を見届け＿＿＿」
「いやいや！！重い、重すぎますよ！！大丈夫ですよ！！私の下着姿なんて命と全然重み違いますって！！」


私は急いで包丁を取り上げて、しまってから二人の前に正座した。
いや下着姿ぐらいで切腹って＿＿＿！！
めちゃくちゃ驚いて腰抜かしそうだったよ。


こういう時に二人が子どもだったら！わっしょーい！で済まされるのに。




「ちょっと寝惚けてて驚いただけですよ！！むしろ脱がしてくれて運んでくれてありがとうございますっていうか、なので、切腹しないで＿＿＿＿」
「A、無理はしなくていい」
「Aさん＿＿＿＿兄上はとんでもない禁忌を犯しました。兄上、僕も直ぐに後を追います」



なんでどんどん切腹ルートに進んでいるのか……禁忌って、そしたら、いつも『ばんざーい』とか言って二人の服脱がしている私は禁忌犯しまくってるじゃないか。

私は切腹じゃ済まされなくない？





「杏寿郎さん、本当に大丈夫です。千寿郎くんもありがとね。でも切腹しちゃったらさ、私、寂しくなっちゃうから……いて欲しいな」
「A……！！」
「Aさん！！」




二人を抱きしめた。



「よし！明日も私、仕事だから、もう食事にしましょうよ、ね？」


あっ鞄とか乾かさないと…顔を上げると、既に奥で干されているのが見えた。
中に入っている物も丁寧に干されている＿＿＿＿



「杏寿郎さん、千寿郎くん…干してくれたんですか！！？すっごく助かりました！！ありがとうございます！！」


二人はパァァと顔を明るくし、嬉しそうに笑った。

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