子猫と勘違いして煉獄兄弟拾って来てしまった女性の話。

にゃんが十九匹 ページ19

「……穴があったら入りたい…」
「いつもいつもすみません…Aさん…」



赤面状態の二人に、私はもう眉を下げて笑うだけである。
これはもう仕方がない。


「いいよ、いいよ、とにかく体が冷えちゃうからお風呂でちゃんと温まってね」


そっと風呂場から出た。

そして、私もびしょ濡れの為、タオルを羽織って、部屋に戻りソファに寄りかかる。




あぁ、泥だらけの服洗剤に浸しておかないと……あとは、靴も濡れているから……新聞紙詰めておかないと……あとは鞄濡れちゃったから干しとかないと…あぁ、でも眠い＿＿＿＿＿









＊＊＊








＿＿＿＿＿A



優しく名前を呼ばれる。
頭を優しく撫でられてる…？



浮遊感＿＿＿＿＿




ん？浮遊感？





ゆっくり目を開けると、杏寿郎さんの顔が飛び込んできた。



「えっ？えぇ！？」




抱き上げられている事に気付き、少し、いや、結構焦る。



「ちょ！！！おろして、降ろしてください！！」
「寒そうに震えていた！！遅くなってすまない…！風呂場に連れていこう！」




よく見たらタオルの下は下着姿になっていて悲鳴を上げて杏寿郎さんをバシバシ叩いてしまう。





「いたっ、すま、ない！！濡れた服は冷たくてなって！！……その、本当にすまない！！」
「わ、分かりましたから！！お、ろしてくださいっっ！！」




私は飛び降りると人生最高の速さで風呂場に入った。




確かにびしょ濡れよりも脱がした方がいいのは分かっているが！！
何も杏寿郎さんは悪くは無いが、むしろ私のためを思ってくれたのだろうが！！
恥ずかし過ぎる。
自分の姿を見られるのはとてもはずかしい。




髪をわしゃわしゃと掻きながら、下着を洗濯機に投げ捨て風呂に入った。





あぁ、杏寿郎さん達もこんな感じだったのかな……やっぱり恥ずかし過ぎる…。
お風呂に浸かり、何度も頭を振る。



杏寿郎さん達は別に何も問題ないよ、カッコイイし、可愛いし、体だって鍛えられてるし、千寿郎は痩せてるし何も問題ない。

だけど私はどうだ！！見せられる体なのか！？
否！！



最近千寿郎君のご飯美味しすぎて幸せ太りしちゃったよ！！




もう、絶対に鍛えよ。
もう鍛えて腹筋バキバキにしてやるんだからっ！！！






私はほぼ半泣きで覚悟を決めたのであった。

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