検索窓
今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:65,362 hit

天内(名前) ページ26

夏「Aちゃん?」

『私は…生まれた時から星奬体(とくべつ)で皆とは違うって言われ続けて、私にとって星奬体(とくべつ)が普通で…
学校以外は外に出ないで危ないことはなるべく避けて今日この日の為に生きてきた』

Aは、俯きながら話はじめた

『4歳の時だった
お母さんとお父さんが交通事故でいなくなったのは…本当に事故だったのかは怪しいけど…』

いなくなった時のことはうっすらしか覚えてないの
黒井がいてくれたから寂しくも悲しくもない
けど記憶の奥底に覚えてることもある

『だから同化で、皆と離れ離れになっても大丈夫だと思ってた
どんなに辛くたっていつか悲しくも寂しくもなくなるって…
でも、皆と一緒にいたい
悟の傍に…!!
もっと皆と色んな所に行って色んな物をみて…もっと!!って思う…』

夏「ふぅ…そう思うなら逃げよう
帰ろうAちゃん」

『帰らない』

夏「なんでそこまで…」

『星漿体は妾以外にいるだろう
けど、妾ほど適した物はいない』

夏「!?」

『オマエ達の気持ちは嬉しい
けどこのまま逃げたら後悔する
同化できなかったら天元様はどうなる?』

国内の主要結界が消失して暴走するかもしれない…逃げたら、その責任は誰がとる

『同化という儀式が大事なのは、ずっと言い聞かせられてきたのだ』

責めるつもりはなかった
本当に夏油の提案が嬉しかったし頷きたかった
けれど何も考えず頷くにはこの3日間が輝き過ぎた

『お前らには後悔しないように生きてほしい
それは私自身が後悔しないための選択だから』

ここでAを逃がせば五条はいいとして、一般家庭の夏油は最悪、呪詛師として命を狙われることになるだろう
それくらい同化という儀式が大事なのはずっと言い聞かせられてきた

嬉しかった…とても…Aは首を振った

『これは私のエゴ
私は我儘だから誰かを犠牲になんてしたくないんだゴメンね』

夏「本当に君はそれでいいのか」

『いいのゴメンね
ありがとう
貴方達の明日への1歩になれるなら私は幸せ

どうか…』

タンッと音がした瞬間、頭に衝撃がきた
グラリと傾く視界に呆然とした夏油の顔が映った

(ごめんなさい…天元様…
お母さん…お母さんは後悔しないようにって言ったけど同化のことで私は後悔してないよ

けど五条のことは後悔ばかり…お母さん…私ね好きな人が出来ました
五条悟さんって言うの…素敵な人でしょ?

自分の命より大切な…だから守りたかった…
私も時期…そっちに行くから…お母さん…)

反転術式→←薨星宮 本殿



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
160人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:卯月 | 作成日時:2021年7月16日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。