うざったいほど___ ページ20
カラン、コロンと少女の下駄が鳴る
「じゃあ私と安吾はこっちだから」
「そうか、俺とAはあっちだからここで解散だな」
『離れていても心は通じ合っていますよ太宰さん!』
「待ってください太宰君、僕は君に住所を教えた覚えが無いのですが」
「安吾、、、遂に働き過ぎて老化してしまったのかい!?
疾く帰って休むといいよ!」
「、、、」
華麗にスルーされるA
織田作とA、太宰と安吾で道が分かれる
『ヤダ帰りたくない!』
「A、、、もう帰ろう、でないとお化けが出るぞ」
『お化け!?』
「、、、太宰君、A君は何歳でしたっけ」
「、、、私と同い歳の18歳の筈だよ、、、多分、、、
というか織田作も完全に子供扱いしてるよね」
“ヤダヤダ”と言って聞かないAを織田作が引っ張って行く
「じゃあな」
ズルズルという音を背に太宰達も帰路を辿った
「ふぅ、、、休みの筈がなんだか疲れました、、、」
「私も何なら仕事していた方が楽だった気がするよ」
「まぁ
楽しかったですけどね」
そう言って安吾はふは、と笑った
そして“貴方もそうでしょう?”という視線を太宰に投げなかけた
「、、、別に私は」
と、不意に太宰が違和感に気づく
ズルズルという引き摺り音がしない
代わりに聞こえるカラ、コロという下駄の音
『___太宰さんっ』
「、、、はぁ、なん」
だい、と言い切る前に
太宰の唇に、柔らかい感触
「?、、!?」
疑問、後の混乱
太宰の目の前が一瞬で白くなる
太宰はなるだけ冷静に頭を回す
Aの声がして、振り返ったら
視界が白くなって、自分の唇にふわふわとした___
「(、、、ん?、白、ふわふわ?)」
“、、、真逆”と太宰が1つ瞬きをすると
射的で取った兎の縫いぐるみを持ったAが目の前にいた
そして“にこっ”と笑って色気の無い元気な声で言う
『奪っちゃいました!』
Aは“ではまた!”と下駄を鳴らし帰って行く
太宰は無表情でため息をつき帰り道へ向き直る
「、、、さ、私達も帰ろうか」
「、、、太宰君」
「なんだい?」
「顔、赤くなってますよ」
「、、、そうかい」
蓬髪の少年はほんのりと赤くなった顔を隠すようにして応えた
眼鏡の青年は意地悪く問うた
「太宰君、今日は楽しかったですか?」
「、、、ッまぁ、
散り際に思い出せたら、と思うぐらいには
___楽しかったよ」
362人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
光華(プロフ) - 最高すぎます!!!!!!!是非更新頑張って下さい!!!!!! (2020年7月26日 8時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
枝豆 - こちらこそ、ありがとうございます!楽しみです! (2019年8月29日 19時) (レス) id: b5778c1530 (このIDを非表示/違反報告)
喰怜 - 枝豆さん» 有難うございます、チョット書く話があるのでその次ぐらいになると思いますが書かせて頂きます! (2019年8月28日 23時) (レス) id: 210718e0a7 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆 - わかりました!リクエストで温泉旅行とか行ってほしいです!時間があればでいいので、お願いします! (2019年8月28日 14時) (レス) id: b5778c1530 (このIDを非表示/違反報告)
喰怜 - 枝豆さん» リク受け付けております!私の中で書きたい話が多くて大々的に募集していないだけでリク、書きますよ! (2019年8月25日 21時) (レス) id: 210718e0a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:喰怜 | 作成日時:2019年7月15日 21時