る ページ10
やっと気持ちが伝わったのに、運命はなんと残酷だろう。
「うらたさん……！うらたさん……！」
もう、この森の中でそう叫んでも彼はもうここには来れない。
私のせいで、私に会いに来てくれたせいで…うらたさんは捕まった。
「私のせいで……」
「そんなことないで。」
「誰…！？」
「君やろ？うらさんが言ってた、赤い目の女の子って。」
「え……」
「あぁ、安心してええよって言うのもおかしいか。俺、うらさんの弟で坂田言いますー」
そう言って現れたのは、赤い髪に赤い髪を持つ妖艶な容姿の青年。
どことなく雰囲気が似てるような気もするが……
「なんで…だって私のせいで……！！」
「でも、うらさんは自分に会いにいったやろ？まぁそれも俺が行けっていうたんやし。」
「え……」
「うらさんな君のこと、ホントに愛してたんよ。そして吸血鬼であることを呪った。」
「どう……して……」
「俺ら吸血鬼はこう見えて、長寿の種族やからな。こう見えて200年くらい生きてるんよ。
そして見た目は変わらん…君と一緒に時を歩めないのが嫌とか言うてたな。」
「なら…私を吸血鬼にしたらよかったのに……」
「あかんよ。」
そう言って坂田さんは私の目をまっすぐと見つめてきた。
心すらも見透かされてるような気がして、目をそらせない。
「吸血鬼ってのは意外と面倒な生き物やからなぁ……君にその辛さを与えられんし……
何より、吸血鬼になれる人間って少ないんよ。うらたさんは君を殺したくなかったんやね。」
「そんな……だからって…捕まることないのに……！」
「優しいなぁ…人間にも、こんな子がいるんやね。」
坂田さんは悲しそうに微笑んだ。
彼にはもう、この後の未来が見えているのだろう。兄を失うという辛い未来が。
「うらさんが愛した女の子が君でよかった。最期まで…うらさんの側にいたってな。」
「……っつ！」
「俺にはできんから……早よ、行きや？」
「…分かった…！！」
彼の分まで、側にいよう。
そう思ったら体は素直に動いてくれた。今出せる全速力で村へと戻っていく。
「うらさん……また…きっと会えるよな？……またな。」
彼が、涙を流しながらそう言っていることに気づかないで。
村に戻ってくると、彼を捕まえた人たちが私を見るなりよってきた。
そして、残酷にこの言葉を言い放った。
「吸血鬼は今日、処刑する。」
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天霧 珠響(プロフ) - 号泣したあああああああ｡･ﾟ･(ﾉД`)･ﾟ･｡素晴らしい作品でした！！！ (2020年6月30日 20時) (
レス) id: 6d7b469f38 (このIDを非表示/違反報告)
真冬（まふさん）(プロフ) - すごく泣けましたヽ(；▽；) (2019年12月30日 22時) (レス) id: 357271c7c9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 泣けました。(僕、これ読み終わった後に服が涙で濡れてたとか知らない(/ _ ; )) (2019年11月11日 7時) (レス) id: 4127dbd5b5 (このIDを非表示/違反報告)
アニメヲタク(プロフ) - はじめまして！他の作品も見させて頂きました。凄く感動しました。素晴らしいストーリーですね！！ (2019年4月15日 0時) (レス) id: 0ec9b45328 (このIDを非表示/違反報告)
Elice(プロフ) - momoheartさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて、泣き初め…というのでしょうかね？いただけてすこしでも表現したいこと伝わっていれば幸いです…！お読みいただきありがとうございました！ (2019年1月8日 1時) (レス) id: 2363fe1fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Elice | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Elice_id/
作成日時：2018年10月18日 1時
