第29夜【何故?】 ページ32
〜貴方side〜
昨日、シンドバッドが帰った。
妾達から言うとやっと…だ。
そして今日の朝!ご飯を食べていると、
炎「飯を食ったら俺のところへ来い」
って紅炎に言われて渋々部屋へ…。
コンコン
貴「妾じゃ、開けるぞ」
ドアを開けると歴史書を読んでいる紅炎がいた。
貴「…話とはなんだ?」
炎「お前には嫌なことだと思うが…。お前にはシンドリアへ行ってもらう」
妾はビックリした。当然だ。
貴「な、なんで?」
炎「昨日、父上がな。どうやら白龍をシンドリアへ留学させるらしい。その警護としてお前も行くことになった」
いやいやいや、そんなこと言われても意味分かんないんだけど…!
覇「あ、大丈夫だよぉ〜、僕も行くしぃ」
貴「えっ!?紅覇も居たの!?」
気づかなかった!この妾が気づかなかった…!
炎「紅覇には偵察に行ってもらうことにした。お前は紅覇の従者として行け」
貴「でも、怪しまれるんじゃ…?ついこの前まで従者がいなかった人に従者がいるなんて…。しかも妾は挨拶すらしてないし…」
炎「それなら大丈夫だ。新入りですって言っとけばいい話だ」
…そんな簡単に済むのか!?
覇「まぁ、大丈夫だと思うよ?」
貴「出発は…?」
炎「明後日だ」
貴「…相変わらず速いね」
そう言い妾は紅覇と一緒に紅炎の部屋を出た。
覇「ねぇ、A…」
貴「何?」
覇「お前は煌帝国にいるよね?」
…?何言って…。
覇「僕ね、ジュダル君に聞いたんだ。シンドバッドは強い奴を駒として使う為、汚い手をも使うって…」
貴「紅覇…」
ギュッ
覇「!?A…?」
妾はいつの間にか紅覇に抱きついていた。
貴「大丈夫だよ。妾は何があっても煌帝国の味方。どんなに汚い手でシンドリアの方へついてしまっても…妾は絶対に煌帝国の…紅覇の味方だ。だから…泣かないで…?」
妾はお前より身長が低いから包み込めないけれど…こんなので良いよね?
覇「…え?」
貴「さっきのに偽りなどない。お前が妾をどう思っているのかは興味ないけど…。嫌っていたとしても、この言葉だけは信じてくれ」
…こう言うのもボティスの未来予知が告げたから。アイツの未来予知は相当な確率で当たる…。
だから内心、妾も怖くてたまらない…。
どんな手で味方にしようとするのか、どんな手で煌帝国に歯向くのか…。
覇「うん…。約束だよ?」
あぁ、紅覇へ対するこの変な気持ち…。これは一体なんなんだろう?
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徒花 - この作品初めて見ましたが面白かったです!頑張ってください (2019年4月2日 19時) (レス) id: 5d280f12f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kapiくる | 作成日時:2015年12月7日 12時