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8話(黄瀬side) ページ9

うぅ〜…


笠松先輩に蹴られたのとAっちのお父さんに蹴られたのでめっちゃ全身痛いっス…特に顔


よりによって何で顔なんスか!!


俺モデルなのに!!←


ってそういう事を言いたいんじゃなくて!!


さっきのAっちが、ただただ心配だったんスよ


Aっちは基本どんな感情も表に出さない、ポーカーフェイスってやつ


さっき連れ去られそうになった時も、眉一本すら動かなかった


…怪我は無かったかって質問が間違いだったかもしんないスね


何も伝わってこない表情とは裏腹に、微かに手が震えてるのが見えちゃったから


……俺はAっちの彼氏でもなければ見向きすらされてない


でもあの時、


怖かったね、もう大丈夫だからって手を握ってあげることが出来てたら


少しは安心させることが出来たんスかね?


こんな事考えても仕方ないっスけど。


…そういえば、というかずっと思ってたことがあるんス


Aっちが、何においても無表情な理由


喜んでも口角は1ミリもあげない


落ち込んでも眉一本下がらない


怒っても眉間に皺1本寄らない


もしかしたら、Aっちの過去に何かあったんじゃないかって


頭悪いで有名な俺ですら考え始めた


考え始めた時に、スマホの着信音


黄瀬「何なんスかこんな時に……てえぇ!?」


Aっちからだ


嬉しくてつい3コール目で出てしまった


黄瀬「Aっち!どうしたんスか〜?」


『今日の事、ちゃんとお礼言えてなかったから。ありがとうね、それじゃ。((ブツッ』


黄瀬「え?え!?もう切れた!?早!!」←


そこもAっちらしくて好きっスけどね


もー、あんなに真正面から好き好きしてるのに


なーんであんなにそっけないんスかね


…欲張りなのは分かってる


けど、俺にしか見せないAっちの姿が見たい


俺を救ってくれたあの日から


Aっちへの想いは募ってくばかり


だから、今度は俺が守りたいんスよ


1度と言わず、何度でも。ずっと。


初めて出来た、俺の愛しい大切な人だから。

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作者名:るっく?? | 作成日時:2023年6月13日 22時

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