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人形になりたい ページ9

今日は久しぶりの家族旅行でヨコハマに来ていた。


A「観覧車乗るの?私クレープ食べたいからパパとママと一緒に乗りなよ」


観覧車乗ろう、と足にまとわりつく妹の頭を撫でていい、クレープ屋台に目を奪われていた。


妹「じゃあ、私のも買って!クレープも食べたい!観覧車にも乗りたい!」
弟「どっちかにしろよ……」
A「あんたも食べたいんじゃないの?」
弟「は?違うし!」
A「はいはい、二人のも買っておくからパパとママと一緒に観覧車乗りな」
妹「ありがと、お姉ちゃん!」
弟「……ん。サンキュ」



ああああ、私の弟と妹まじかわいい。まじ天使。
可愛すぎる。
これって姉馬鹿かな?
無表情をなんとか装い屋台に並ぶ。


−−−−−−−−−−そこから記憶がない。
気が付いたら古い建物の中で縛られていた。
男が私に名前を呼べと命じた。
みぞおちを蹴り飛ばされ、急いで言った。


A「ル、ルーマー・ゴッデン!」


男が笑った。
次の瞬間から私の体は私の言うことを聞かなくなっていた。
勝手に足が動いて手が動く。


(何これ、やだやだやだ、怖い!何これ、銃?
引き金に指がかかってる、まずい)


私の指は、引き金を引いていた。
さっきまで家族といた市街の中心で、私の握っていた銃から飛び出した銃弾は、家族連れの父親の心臓を撃ち抜いた。
ゆっくりと倒れていく姿。
その間にも私の指は引き金を引いていた。


赤い血が流れていた。
悲鳴が耳に刺さっていた。
私は声も出せなかった。



私が撃った銃弾が、観覧車から降りてきたパパとママと弟と妹の頭を撃ち抜いた時、
私は−−−−−−−−−−−。



逮捕されてからも私の口は勝手にいろいろしゃべっていた。
喋っていなくても自分では指一本動かせない、口も動かない。


死にたいと思った。
生きてなんていられない。
もう、私は。
生きていたらいけない。
私は、大量殺人者だ。


このまま死刑にしてくれたら嬉しいくらいで。


いっそ、操り人形のままなら。
もう何も…………………考えたくない。

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乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» 同い年ですね! (2019年8月17日 21時) (レス) id: a46352e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 乾 巽さん» 同い年……オーマイガァー (2019年8月17日 20時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» ありがとうございます、そんなこと言われたの初めてです。因みに年は今15です (2019年8月17日 11時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 文才力の塊……。その文才わけてください← この小説とても面白くて大好きです!!私も作者様と年変わらないと思うので……羨ましいです……。 (2019年8月17日 11時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - ありがとうございます、頑張りますね (2019年8月10日 10時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乾 巽 | 作成日時:2019年1月23日 16時

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