綾辻の追憶4 ページ7
それは見るものを不快にさせるような笑みで、俺は少しいらだった。
が、それを表に出さずに続けた。
綾「凶器の銃火器をお前が海外から手配していたことはもう割れている。
お前は少女の体を使って犯行に及んだばかりか、
あまつさえ彼女自身の手で家族を殺させた」
ゴ「仮にそうだとしても、証拠はない。
俺が持ってきた銃火器を、娘が持っていき自分の意思で殺したのかもしれないだろ?
俺が問われるのは殺人幇助がいいとこだ。
俺が操った証拠にはならない」
今度は俺が嗤う番だった。
ゴッデンは自分の自白で、首を絞めた。
綾「何を言っている?
----------------------------俺が追っているのは、犯行に使われた銃の、不法密輸でお前が殺した運び屋のことだ」
限りなく証拠が出にくい異端の異能、身体操作系には勝てない。明確な証拠を出すことはできないからだ。
彼女に被せられた罪を拭い去ることはできない。
だが、ゴッデンの異能力は本人が死ねば解除されるものだ。
俺は、ゴッデンを大量殺人の真犯人としてではなく、
運び屋殺しの罪を暴き事故死させることにしたのだ。
ゴッデンが死ねば異能力は彼女から解除され、それは立派な「ゴッデンが少女を操っていた証拠」になる。
事件を細分化して最終的に解決する。
こんな手を取ったのは、初めてだ。
綾「殺しは軍警が証拠を抑えている。
お前は操り人形で大量殺人を起こすことと彼女に犯人のふりをさせることに気を使いすぎ、
こっちの証拠を消すのは不十分にしていた。
犯人のふりをさせるのも、時々身体操作をおろそかにしたせいで違和感が出ていた。
この二つが、お前の、敗因だ。
予言しただろう。
−−−−−−−−−−お前は事故死する」
真相を暴いた犯人を、事故死させる異能。俺の異能力「Another」によって。
ゴッデンはわなわなと震えて懐に手を入れて言った。
ゴ「じゃ、じゃあ、お前は、最初から俺を逮捕しないつもりで、
最初から殺すことが目的だったのか!」
ようやく理解したゴッデンは、懐から拳銃を素早く抜いて俺に銃口を向けた。
ゴ「事故死?馬鹿言うな、そんなこと不可能だ。
俺も予言してやる。
お前は俺に撃たれて死ぬ。
俺はまた国外に逃亡する」
やはりこいつは馬鹿だ。
周囲を囲まれていることにすら気が付いていない。
巻き添えを避けるために数歩下がった瞬間、
窓の外から飛んできたライフル弾がゴッデンの腕を撃ちぬいた。
異能特務課狙撃班による精密射撃だ。
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乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» 同い年ですね! (2019年8月17日 21時) (レス) id: a46352e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 乾 巽さん» 同い年……オーマイガァー (2019年8月17日 20時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» ありがとうございます、そんなこと言われたの初めてです。因みに年は今15です (2019年8月17日 11時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 文才力の塊……。その文才わけてください← この小説とても面白くて大好きです!!私も作者様と年変わらないと思うので……羨ましいです……。 (2019年8月17日 11時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - ありがとうございます、頑張りますね (2019年8月10日 10時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乾 巽 | 作成日時:2019年1月23日 16時