【文豪ストレイドッグス】綾辻行人殺人探偵の人形

綾辻の追憶３ ページ6

綾「この事件の捜査が行き詰まっていた理由は２つあった。
一つは犯人として逮捕された少女に犯行の動機が不明だったこと。
一つは彼女が自身の家族まで殺した理由が見当たらないこと。
それらは全てこれで説明できる。

身体操作の異能力者が彼女に目をつけてさらい、操った。
実に簡単なことだ」


そう言って俺が指し示した男、身体操作の異能力「人形の家」を持ち国外で指名手配されている犯罪者−−−−−−−ルーマー・ゴッデンは笑った。
国際指名手配者であり、精神操作系や現実改変系のように異端とされる「身体操作系」の異能者だ。
身体操作系および精神操作系の異能者リストの中からゴッデンを見つけ出した。


ゴ「誰だか知らないが、一つ聞こう。
−−−−−俺がその大量殺人者を操ったっていう証拠はあるのか？証拠がなければ俺を逮捕なんてできないぜ」
綾「これは申し遅れた。
俺の名前は綾辻行人。探偵だ」
ゴ「なんだ、軍警じゃねえのか。まあ軍警でも俺を逮捕なんてできないけどな」


ゴッデンには自分が絶対に捕まらない自信があるらしい。


綾「勘違いするな、俺はお前を逮捕などしない。予言してやる。
お前は俺に計画の全てを暴かれ−−−−−−−事故死する」
ゴ「そいつは面白い予言だな。
−−−−−やってみろよ、できるものなら。聞いてやる、その推理」


俺とゴッデンはゴッデンの潜伏先の廃ビル内で睨み合い、俺は口を開いた。


綾「まずお前はこの魔都、ヨコハマへ来た。目的はポートマフィアの首領の首だ。
１年前、お前を国外に出るしかできなくさせた張本人が、当時首領の座に座ったばかりの現首領、森 鴎外だったからだ。
先代の暴走をいいことにポートマフィアの鼻先で好き勝手していたお前を国外に追い出したんだ。
それの証拠ならポートマフィアがちゃんと持っている。
そしてお前が森への復讐の第1手に選んだのは、ポートマフィアの知り得ぬところでの殺人だった。
殺しや、ヨコハマの闇そのもののポートマフィアの鼻先で大量殺人を起こして見せ、挑発するつもりだったのだろう。



それの操り人形としてお前が選んだのが−−−−−−ただ偶然家族と旅行に来ていたAだったんだ」





黙って聞いていたゴッデンがゆっくりと口角をあげて、
嗤った。

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