辻村の憂鬱２１ ページ31
綾「確かにその通りだ。迂闊だったよ。心から謝罪したい。
ところで君達がいつも繰り返していた台詞、あれは俺の幻聴か？指示されたこと以上はするな、依頼にない事件を追うな。鎖につながれた飼い犬のように大人しく依頼だけをこなし、あとは尻尾を振って次の命令を待っていろ。
俺は依頼だけをこなし事件を解決した。
異能力で犯人を断罪した。
これ以上何を求める？
それにーーーーー井戸だと？」
井戸という言葉を先生が繰り返すとAさんは朝食作りの手を止めて振り向いた。
辻「え？」
二人ともどうしたのか。
井戸というワードに反応した。
綾「溜め池でも貯水池でもなく、井戸なんだな。
辻「そ、そうですけど、それが一体」
A「……………それ何処？」
地図を見せると地理を丁寧に確認し始める。
綾辻先生はいきなり立ち上がると部屋の奥に歩いて行く。この事務所には地下室がある。
そこに向かうのだ。
冷んやりした地下室は人形で埋め尽くされている。
Aさんはここで寝泊まりしていたのか。
確かに今にも動かそうな等身大人形があるし、本当によく見ないと気がつかないかもしれない。
というかそもそもこんなところで一人寝られる神経がわからない。
綾「思い出した。
3日前ここから２ブロック先の駐車場に落ちていたゴシップ雑誌の記事。
それに『井戸』の記事があった。
対して気にも止めなかったからいままで見たことも忘れていたが」
辻「3日前って、何でそんな時に外に出ているんです⁈どうやって……」
一瞬見た記事を覚えているのはすごい。けどこう抜け出されてばかりでは。
綾「散歩がしたくて窓から出た。生憎Aは寝ていたからな。西日で監視が緩んだ窓にガラスを一枚置いて反射を偽装しただけだ」
目眩がした。
これを報告すれば監視の根本的見直しで徹夜３日は確実だ。ていうかAさん………いつも一枚噛んでたんですか。
どうりで止められない訳だ。
綾「記事自体は低俗な都市伝説を扱ったお粗末なものだが、それの井戸は拝むと悪人になれる井戸だと」
辻「悪人になれる、井戸……？」
そんなものはない、とは言えなかった。
思い出して満足したのか揚々と地下室を出て行く。
地下室の入り口を開けて待っていたAさんと綾辻先生が自然と口を揃えた。
綾「真相が知りたければ、特務課から依頼をとってこい。もしかしたらーーーー」
綾•A『妖怪が出るかもしれない』
その二人の声は酷く冷たかった。
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乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» 同い年ですね！ (2019年8月17日 21時) (
レス) id: a46352e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 乾 巽さん» 同い年……ｵｰﾏｲｶﾞｧｰ (2019年8月17日 20時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» ありがとうございます、そんなこと言われたの初めてです。因みに年は今１５です (2019年8月17日 11時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 文才力の塊……。その文才わけてください← この小説とても面白くて大好きです！！私も作者様と年変わらないと思うので……羨ましいです……。 (2019年8月17日 11時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - ありがとうございます、頑張りますね (2019年8月10日 10時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾 巽 | 作成日時：2019年1月23日 16時
