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辻村の憂鬱2 ページ2

綾辻先生をかばうように女性に向き合っていた私は思わず綾辻先生の方に振り向いてしまった。
交互に顔を見て表情を確認する。
その女性は人間味がないほど色白で唇は血のように紅い。
墨色の艶やかな髪と黒々とした瞳を持ち、女の私でさえため息の出る美貌だ。
髪は少しクセがあるのか肩につくかつかないかのあたりだが、アイロンをかけたら肩より長いだろう。
そして何より目を引くのはその表情だった。
無表情。
おおよそ感情の類を持っていないような、
まるで…………………人形。


辻「………綾辻先生、説明していただきますからね?」


綾辻先生は無言で視線を逸らした。
私は先輩に怒られる恐怖と今まで気がつかなかった自分への怒りで手が震えていた。
大きく息を吸うと質問を機関銃のように浴びせかけた。



辻「何考えてるんですか!いつからここにいるんですか、この女性は!
しかも誰なんです、どうやって入れたんですか、周りは特務課が見張っています、
どうやって入ったんです!」



この時の私はたぶん半泣きだったことだろう。
自分の失態だ。
政府代理人として失格なくらいのミスだった。
特一級危険異能者、「殺人探偵」綾辻行人の監視役。
任務につくとき先輩から言われた言葉。

安『失敗は許されない』

それなのにあろうことか綾辻先生が特務課の知り得ぬ相手と接触していた。


綾「落ち着くといい、辻村君。君の失態じゃない。
俺が本気で欺けば特務課でも追えないのだからな」
辻「ふざけないでください」


綾辻先生は話し始めた。Aと呼んだ女性のことを。

辻村の憂鬱3→←辻村の憂鬱



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乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» 同い年ですね! (2019年8月17日 21時) (レス) id: a46352e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 乾 巽さん» 同い年……オーマイガァー (2019年8月17日 20時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» ありがとうございます、そんなこと言われたの初めてです。因みに年は今15です (2019年8月17日 11時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 文才力の塊……。その文才わけてください← この小説とても面白くて大好きです!!私も作者様と年変わらないと思うので……羨ましいです……。 (2019年8月17日 11時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - ありがとうございます、頑張りますね (2019年8月10日 10時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乾 巽 | 作成日時:2019年1月23日 16時

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