第255話:プレッシャー ページ19
机がギギッ、と音を立てる。それはそうだ、細身とはいえそこそこの質量はあるはずだ。
そしてすとんと着地。
引き続き私に向かって歩いてくる。
「ひっ…!」
驚愕と混乱で固まった私のもとに赤司さんが到着する。椅子に座ったまま正面に立たれると、十分に威圧感を感じる。
「なん、」
「逃がさないよ。お仕置きの時間だ」
お仕置き……!?
なんのこっちゃ分からない私に、椅子の肘掛けに手を付ききっちり逃げ道を潰して赤司さんが続ける。
「約束を破ったら、お仕置き。
失神するまで深いキスしてやるって、言っただろう。
覚えてるよね?」
「!!!」
覚えてる。言われた時の状況を思い出して冷や汗がダラダラ流れてきた。よくそんなこと忘れてたな、私。
青ざめる私。赤司さんはにっこり。
あ、ダメだこれめちゃくちゃ怒ってる……
「思い出したようだね。じゃあ遠慮なく」
「ちょっ、と待っ、!!!!
んん"〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
効果音があるとすれば、間違いなくブッチュゥウウウが当てはまるような、情緒も減ったくれもない、キスというよりは唇の押し付けだった。
普段のより強引に荒々しく押し当てられた唇に、強制的にぐいぐいと上を向かされる。
逃げようとして身体を引くけど、壁に背もたれがぴったりくっついた肘掛付きの椅子に座っていては当然そんなスペースは無く。
ついでに後頭部と片頬をがっちり押さえられたので頭は1ミリも動かせなかった。
両手で胸板を押しても勿論のことびくともしない。
十数秒のキスならぬプレスの後、赤司さんが顔を斜めに傾け、口をあ、と大きく開いて私の唇に噛み付く。
痛……くない、ぎりぎりの絶妙な力加減で
(く、喰われる……!)
もう完全にがぶがぶ捕食されている気分だった。捕まったが最後、力の差を見せつけられながら弄ばれているのだ。
しかしそんな執拗な愛撫によって、怯えながら頑なに閉ざしていた唇が熱と湿度で徐々に解かれていってしまう。
首に筋が浮かぶほど力が入っていた身体も、さりげなく後頭部の髪をかき混ぜる手に絆されて。
「っん、んぅ、……ぅ」
下唇が吸われ、火照って柔らかくなったそこがひしゃげる。
出来た隙間から侵入した尖った舌が、擽るように前歯をなぞる。
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白虎 - 赤司くんはやっぱりカッコイイですね〜 (7月21日 10時) (レス) id: eab1ac402f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2022年4月19日 19時