【月永レオ】僕の知らないお兄ちゃん【月永るか】 (ページ1)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:1,555 hit

どうしてページ1

月永ルカ視点

「お兄ちゃん！」

「ん～、るか。どうした？」

「お兄ちゃん、ぼくの髪結んでっ！」

　お兄ちゃんに甘えるように、擦り寄れば「るか自分で結べるだろ～？」とか言いながらも、お兄ちゃんは、「ほら、後ろ向いて」と呼びかける。
こういう所お兄ちゃんは、とても優しい。

素直にくるりと後ろを向いて、お兄ちゃんが私に触れてくれるのを待つ。

「るか、擽ったいから堪えろよ～？」

「く、くすぐったくないもん……」

　そろりと伸ばされたお兄ちゃんの大きな手が、お兄ちゃんと同じ髪色とシャンプーの匂いがついた髪を掬っていく。

髪と手が当たって擽ったくて、足をバタバタさせながら見悶える。

お兄ちゃんは、堪えるようにクスクス笑って
た。

すると、バタバタとこちらに近づいてくる音がする。もう慣れてしまった、足の音で分かる人物に、私達は顔を上げた。

「あら、るか？お兄ちゃんに髪結んで貰ってるの？」

「うん！僕自分で結べるけど、お兄ちゃんは優しく結んでくれるから好き！！」

「お、るか嬉しいこといってくれるな…！｣

　なんて、お母さんやお兄ちゃん。勿論お父さんとも他愛のない話をして、盛り上がって、何気ない家族を築いていた。

しかし、気づかないうちにヒビは入り始め、いつしか絶望をうみ始めていた。

「お兄ちゃん！ぼく、お兄ちゃんの事大好き！」

「ありがとうるか、俺も大好きだぞ」