白鳥沢の女マネはなんかすごかった4 (ページ13)

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142話ページ13

疾「医師によると疲労が原因ということでした。医師も2、3日で目を覚ますだろうと言っていました。ですが若は2、3日どころか1ヶ月、目を覚ましませんでした。俺等は自分達のせいでこうなったと思いました」

長「ある日、若のお父上は私達に話してくれました。」

父「レイはね、元々身体がそこまで強く無いんだ。それなのに何でこんなになるまで稽古を頑張っていたと思う？レイ、前に言ってたんだ『疾風、長門、時雨にはもうあんな目にはあってほしくないから私が強くなって守るんだ』って。それで毎日キツい稽古も頑張っていたんだよ。毎日毎日、暗示のようにこう言ってたよ『私が家族を守るんだ、そのためならキツい稽古なんて朝飯前だ!』って(笑)
だから自分達のせいでこうなったとか思わないでほしいな。レイはレイなりに考えて身体が壊れるまで稽古を頑張ったんだし、自分達のせいって言っちゃったらレイ悲しむと思うからさ。今はレイが起きるのを待とっか」

疾「と。だから俺等は若の目が覚めるのを待ちました、その数週間後若は目を覚ましました。俺等は若が目を覚ました事が何よりも嬉しかった。それでも若は自分が弱いせいで倒れた、自分が弱いせいで守れなかったと仰いました」

時「若にはもう倒れてほしくなかった、だから俺等も若を守れるくらい強くなりたいって思った。その日から俺等は若と稽古をするようになった。若がまた倒れないように、若を守れるくらい強くなる為に」

長「だから学校にも通わなくなりました。勉学は若が毎日教えてくれました。でも、また倒れてしまったら？そう思うときがありました。若はそれに気づいたのか」

『私はもうあんなヘマは絶対しない、大丈夫だから』

長「と仰いました。それから若は倒れることはありませんでした。」

時「でも今の若はあの時と似た状態にある」

疾「だからあの時つい、若に言ってしまいました。若はあの時の事を今でも悔いています」

北「だからあん時あんなに弱々しい声やったんやな」

疾「はい、これで俺等の話は終わりです」

驚く事ばかりだった、レイがお嬢様だった事、3人が身売りに出されていた事、レイが病弱だったこと...俺等には何もすることは出来ないのかな...

『お前ら...そんなこと話してたのか？』

「「「!?!?」」」

何でレイが此処に!?

疾「若!?何故此処に!?」

『お前らの話し声が聞こえたから来てみれば...』