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むぎゅーっと、ナルトに抱き着く。
髪や瞳は父さんに似たんだね。
でも雰囲気は母さんだ。
私の弟だ。
「な、な、なんだってばよ！？」
「ん。私はA。君のお姉ちゃんだよ、ナルト。……ナルトが生まれた日、九尾の事件の日に、私、攫われたの。でも、今日、やっと会えた」
「姉、ちゃん……？」
ナルトから少し離れて、うんうん、と私は頷く。
「Aは正真正銘君の姉だ、ナルト君。……お姉さんと一緒にいきたくないか？」
「なんだ。約束、破ったわけじゃないんだ」
「当たり前だ」
「ん。そうだよね。……本当にイタチが約束を破ったら、躊躇わず肥料にしていたよ」
本当にね。
イタチ、強いし。
……私も強いけど！
「足の一本でもぶった斬りますか？」
「……鬼鮫。……養分になりたい？」
「冗談ですよ」
「ん。次言ったら殺す」
……ふと。
誰か背後にいた。
イタチが口を開く。
「久し振りだな。……サスケ」
「サスケ？ イタチの弟の？」
わ。顔付きそっくり〜。
美形一族って聞いたら納得するってば。
「ほう。……うちは一族は皆殺しにされたと聞きましたが……」
「ん。イタチが殺ったんだっけ。……まあ、殺るよね」
私は知っている。
事情を、話してくれたから。
だから、まあ、そうだよね。
殺るよね。
私だってそうする。
弟を守るためなら、する。
私は弟のためなら木ノ葉も潰すけど。
イタチは、木ノ葉も弟も守る。
「アンタを殺す為だけにオレは……！」
チッチッチッ、と音がする。
なんだろ？ えっと、イタチが話してくれていたやつ。
「千鳥……？」
イタチが呟いた。
そうそう。千鳥。
「……イタチ、嘘、ついてないよね？」
「俺がいつ、お前に嘘を？」
「さっき。木ノ葉で」
「……そうだったな」
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作者名：枯葉 | 作成日時：2022年5月29日 23時
