2. 最適解 / 過去 ページ3
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『あ、徹、今日の部活休みになったんだよね?』
今思いついたことを何てことないように問いかける風を装って徹に聞いたけれど、どんな返事が返されるのかは分かっていた。さっき岩泉達と話してるの聞いちゃったから。
「うん。……でも、大会が近いし自主練しようと思ってるんだ。」
この前、彼女にそんな態度ってどうなの?って私の周りの友達が徹に訴えていたけれど [ 彼女<バレー ] の徹だから私は好きになったんだ。バレーより彼女を優先するなんて徹らしくでしょ?
『そっか。……頑張ってね、応援してる!』
ほんの少しの落胆が入り混じったような声が出てしまったことに徹が気付いてないと良いな、徹の負担になんてなりたくないから。
「ねぇ!その代わりに大会終わったらデートしよ?」
大会後も忙しいはずなのに私との時間を作ってくれる。……でも、いつからだったかな、それが何故か辛いことになったのは。
『あ……大丈夫だよ、大会終わりが1番疲れてるでしょ?』
「俺がしたいからいいの!」
『分かった。徹、ありがとね。』
「可愛い彼女の為ならお安い御用だよ!」
結局、そのデートをする前に別れちゃったけど、私は徹の負担になることのない " 最適解 " だと信じてる。今、傍に徹がいないのはとても寂しくて辛いことだけれど、それは少しずつ和らいでいくはずだから。
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作者名:羽瑠 | 作成日時:2021年10月10日 14時