四角関係

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不機嫌気味な雄登に反抗する気も起きず



ｷﾘｷﾘと少し強めに引かれた腕に我慢しながら着いて行けば


使われていない空き教室



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其処に入れば ﾄﾞﾝとロッカーに背をつかされ


所謂 "壁ドン"というやつを受ける

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そんなｷｭﾝとするものでは無いけど


⠀ 無表情な雄登に少しばかりの恐怖心を覚え



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様子を伺うように少し下から顔を覗かせれば



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『何時も話さない癖に今日は仲良しじゃん

⠀ 何、見せつけてんの？』


なんて低い声で訊いてくるから


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「そんなんじゃないよ」


と雄登を落ち着かせる様に冷静に答える



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すると 軽く触れるだけの口付けを落とされ



腕を引き寄せられればキツく抱き締められる



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『俺、ほんとにAが好きだからさ 俺の前では浮所と仲良くしないでよ』



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『これ以上妬いたら 俺 可笑しくなりそう』



なんて雄登らしくない弱々しい声で言うから

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「ごめんね」


とだけ言い私から口付けを落とす


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吃驚したように耳まで赤らめる雄登に微笑みかければ


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雄登も ふっと優しい笑みで笑い返す




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一限サボっちゃおっか なんて会話を交わし


私を抱き締めたまま左右にらゆらゆらと揺れる


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雄登といる時間がこんなに楽しく感じたのは関係を持ってから初めてかも知れない

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そう思ってた

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咲紅に見られてるなんて思いもしなかったから

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