温もり やそじ あまり よっつ ページ34
*
「・・・そう言えば、黒木君ここに来たんでしょ?」
席を立って、振り向き様に翼に聞いた。
翼は軽く何度か頷いてため息をつく。
「・・・あいつ、カッコいい奴だよ」
翼がそんな事を言うなんて珍しい。
何を話したのか気になり、聞こうとしてもはぐらかされた。
「・・・まぁ」
翼はニヤリと笑って私を見る。
え、なに。
「男同士の約束ってもんかな」
・・・結局、こうやってはぐらかされる。
「ふーん。じゃあ、私もう帰るね」
もう少し聞きたかったけれど、翼の身体の方が大切だ。
さっと翼の側を離れて病室のドアに向かう。
「じゃ、ね。明日も学校終わったら来るからね」
「ん、成功を祈っててよ」
当たり前、と頷いて病室から廊下に出た。
時計を見れば もう夕方が近づいていた。
そう言えば、お昼食べてなかった・・・
今度こそ寄り道せずに帰ろうと決意し、バス停に向かう。
「・・・あ」
奥の道から丁度バスがやって来たのが見えた。
ナイスタイミング。
少しだけ歩を早めて、バス停に急いだ。
まずは、お母さんの家に帰ってお礼を言わないと。
それから家に帰ったら丁度良い時間かも。
・・・あ。
そう言えば、今日は秀明休んだんだっけ。
あんまり早く帰りすぎると怪しいよね・・・
「はぁ・・・」
今の時刻は15時半くらい。
んー、17時か18時くらいに帰るのが自然だよねぇ。
翼の家からゆっくり歩いて帰ったら ある程度の時間にはなりそう。
よし、それで行こう。
あれやこれやを考えていると、あっという間に降りる場所に。
翼の家から病院までが近いっていうのもあるだろうけど。
翼の家までの道を間違えないように進む。
ここで迷ったらシャレにならない。
しばらく歩くと、目の前に見覚えのある一軒家が。
「・・・ついたぁ」
無事についた事に一安心しながらインターホンを鳴らした。
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にゃ〜 - アーヤと、翼のお母さんが、最後の最後まで翼を信じるところが感動しました! (1月8日 21時) (レス) @page50 id: 26a4d90e30 (このIDを非表示/違反報告)
みみー - 泣いちゃいました!読み終わった後なんかもうぼろくそに泣きました!作者様様へ、感動する話をありがとうです! (2021年3月24日 11時) (レス) id: 76382fa356 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - 感動しました! 色々なところで、泣きました (2021年1月5日 20時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
yukko08(プロフ) - 翼が彩に抱きしめてと言ったところで泣きました 作者様に感謝です! (2020年5月4日 19時) (レス) id: 85514eea1d (このIDを非表示/違反報告)
K - リクエストを書いてもらえて嬉しいです。ありがとうございます。 (2019年9月6日 6時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:smile | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Niko-hp/
作成日時:2018年3月22日 15時