温もり やっつ ページ8
『・・・ヤ』
懐かしい、声がする。
『・・・ーヤ』
大好きな、声がする。
『アーヤ！』
愛しい愛しい、彼の声がする。
『えっ・・・』
振り返ると、そこに立っている。
私を笑顔で見つめている。
ずっと望んでいた、彼の姿。
『たす、く・・・？』
分かってる。分かってるんだ。
『何、ボーッとしてるの？』
全部、分かってる。
これは、夢。
『ほら、おいで』
優しく微笑んで、私を呼んでいる。
腕を広げて、待っている。
走っていきたい。飛び込みたい。
⎯⎯⎯ もう一度、包まれたい。
大好きな人に。愛してる人に。
だから、私は彼に・・・
翼に抱きつく。
『うわっ、と』
大袈裟な反応を示すが、きちんと受け止めてくれる。
あぁ、これだ・・・
これを求めてた。
この、温もりを。
『今日は、甘えたい気分？』
少しからかいを含んでいる言い方だったけど、気にしない。
やっと、会えたから。
『うんっ・・・。すごく、甘えたい』
翼の胸に、顔を埋める。
力一杯、抱き締める。
『甘えられるって、なんか良いね』
照れ隠しなのか、そんな事を言ってきた。
でも、しっかりと抱き締め返してくれる。
本当に、これは夢なのか。
そう思うほどに翼だった。
匂いも、温もりも、全部。
『何、それっ・・・』
勝手に涙が溢れてくる。
視界が滲んでいく。
『こらこら、泣かない。寂しかったの？』
抱き締めながら頭を優しく撫でてくれる。
そう・・・
そうだよ、寂しかったんだよ。
翼がいなくなっちゃうからだよ。
そう言おうと思っても、喉で言葉がつっかえる。
『大丈夫だよ。もう、離れないから』
翼は分かってる、と言うように言葉を続けた。
『俺は、どこにも行かないよ』
そう、これは夢。
私が作り出した幻。
あり得ない世界。
それなのに、夢だと思えない。
幻だと思えない。
だって、目の前には翼がいる。
紛れもない、本人が。
私の愛する人が。
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ミラゴン - もう、感動して涙が止まりません。こんなにも感動する話は、こんなにも涙が止まらない話は初めてです。改めて恋、友情、そして、命について、考えさせられるお話ですね。また更新されるのを心待ちにしています。 (2019年2月25日 20時) (
レス) id: 5ed9be59f6 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - ありがとうございます！では、載せますね。お返事ありがとうございます。 (2019年1月15日 20時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Kokone♪さん» Kokone♪様、初めまして。わぁ、お誘いいただきとても嬉しいです！全然構いませんよ。わざわざ報告していただきありがとうございます！ (2019年1月15日 19時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - smireさん、はじめまして。私、kokone♪申します。こちらの作品を、『泣けるお話、集めてみました。【探偵チームＫＺ事件ノート】』という私の作品に載せたいのですが、よろしいでしょうか。本当に泣けるお話なので、是非とものせたいです。お返事、待っています。 (2019年1月15日 17時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
smile - クローバーさん» クローバーさま、コメントありがとうございます。時には更新をしなかったり、一度に大量更新したりと不規則でしたが、ついに続編までいけました…(汗) 応援ありがとうございます！ (2018年3月27日 15時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：smile | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Niko-hp/
作成日時：2018年2月23日 18時
