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温もり とお あまり ひとつ ページ11






休み時間、カフェテリアに急いで向かう。




階段をかけ上り、カフェテリアのドアを開ける。




翼がこちらに気付いて、片手をあげた。




立ち止まりそうになったけれど、何とか歩く。









いつも通りに。









一瞬、黒木君がチラッと見たけど、気にせずに側へ行く。




「ごめんね、遅くなって」




空いている席に座り、ノートを開く。




翼は私の斜め前に座っていた。




あまり見ない方が良いよね。




視線を若武に移し、頷いた。




「よし、今日の議題を発表する」




いつものように重々しい雰囲気で始まる会議。




今回は、どんな事件なんだろう。




ワクワクした気分で若武を見つめる。









「事件がねぇ!」









は、ぁ?




若武は直前までキメていた表情を崩し、拳を机に打ち付けた。




「全く事件が起きねぇ。くっそ!」




え、今日の集合ってそれ?




上杉君も同じ事を思っていたらしく、席を立った。




「帰る」




苛立たしげに言い残して、背中を向ける。




私も今すぐ立ち上がりたかったけれど、我慢した。




「まぁまぁ」




帰ろうとしていた上杉君を黒木君がなだめる。




「それなら、俺から言いたい事があるんだけど。いい?」




黒木君が手をあげて若武に許可を求める。




若武はすがり付くように頷いた。




あぁ、バカ武・・・









「あのさ」




黒木君が放つ言葉を、全員が待ち構える。









 









「アーヤ、美門。いつからそうなった?」









 









鋭い眼光で睨み付けられて、息を呑む。




もう、バレたの・・・?




「そうなったって、どういう事でしょ」




翼はとぼけるつもりのようだ。




「俺の口から言わないとダメか?」




静かに言葉を重ねられて、追い詰められる。




「ダメも何も、心当たりは全くないんだけど?」




翼はポーカーフェイスでとぼけ通す。




私も内心、ハラハラしていた。




ここで私に矛先が向いたら、絶対無理っ!









「アーヤも?」









黒木君の視線がこっちに移る。




き、来たっ!




「な、にが?」




平然を装って黒木君を見つめ返す。









「へぇ。じゃあお前ら、本当に付き合ってないのね」









バレてるっ!




その一言で若武の目付きが変わった。




一気に鋭くなり、私と翼を睨む。




私は震え上がり、うつむいた。




そうする事しか出来なかった。

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ミラゴン - もう、感動して涙が止まりません。こんなにも感動する話は、こんなにも涙が止まらない話は初めてです。改めて恋、友情、そして、命について、考えさせられるお話ですね。また更新されるのを心待ちにしています。 (2019年2月25日 20時) (レス) id: 5ed9be59f6 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - ありがとうございます!では、載せますね。お返事ありがとうございます。 (2019年1月15日 20時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - Kokone♪さん» Kokone♪様、初めまして。わぁ、お誘いいただきとても嬉しいです!全然構いませんよ。わざわざ報告していただきありがとうございます! (2019年1月15日 19時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - smireさん、はじめまして。私、kokone♪申します。こちらの作品を、『泣けるお話、集めてみました。【探偵チームKZ事件ノート】』という私の作品に載せたいのですが、よろしいでしょうか。本当に泣けるお話なので、是非とものせたいです。お返事、待っています。 (2019年1月15日 17時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
smile - クローバーさん» クローバーさま、コメントありがとうございます。時には更新をしなかったり、一度に大量更新したりと不規則でしたが、ついに続編までいけました…(汗) 応援ありがとうございます! (2018年3月27日 15時) (レス) id: d18177599f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:smile | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Niko-hp/  
作成日時:2018年2月23日 18時

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