笑顔を忘れた少女 ~第九章~【NARUTO】来光篇

第壱話 変革の世に現れし暗雲 ページ3

『何か見える？』





私は大樹にもたれかかり

この木のてっぺんで四方に広がる景色を眺めているサスケを見上げた





ｻｽｹ「いや…」





そこで南西の方角から気配を感じた



すると一見羽ばたく小鳥だが

その身体に巡るのは血ではなく

チャクラが練り込まれた墨と文字の小鳥が飛んできた



サスケは巻物を一つ取り出し拡げると小鳥はそれに飛び込んだ



それからサスケは降りてきて私にもその巻物を見せた





木ノ葉の忍、サイの忍法、鳥獣戯画だ

巻物の中に文字が広がっていた





ｻｽｹ「これは…」





それは現在の火影であるはたけカカシからの伝令



どうやら霧隠れの忍と雲隠れの忍が

突然大量失踪したらしい

争った形跡もなく情報が乏しいようで

もし事件に関係しそうな不審点を見つけたら

木ノ葉に連絡して欲しいとのことだった





『百人以上の忍が忽然と姿を消した…』





これがもし誰かの手によるものであれば

幻術使いの可能性がある

ならば輪廻眼を持つ私達が対応した方がいいだろう





因みに私達は今大筒木カグヤについて調べている

禁忌と呼ばれた神樹の実を口にし

チャクラを得て乱世を治め暴走し封印された女

そして再び復活するも私達がまた封印した



世界を揺るがす脅威は去ったと人々は喜んだが

私達には気になることがある



なぜ争いが終わったはずの世界で

人々を無限月読にかけ

兵隊化する必要があったのか





様々な理由が思い浮かぶが明確な答えを見いだせずにいる

だから暗部の任務とは別にこうして時々

私達は里の外でカグヤについて調べている





今いる森を抜けた先には

もうもくと白く立ち上る湯気が見えた

ここは温泉が噴出し

湯治によく利用される湯隠れの里にほど近いのだ



湯隠れの里がある湯の国は

雷の国に近く水の国への船も出ている



それならば行く所は決まっている





ｻｽｹ「…ひとまず雷の国に向かうか」

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