笑顔を忘れた少女 ~第九章~【NARUTO】来光篇

第玖話 ページ11

ﾁﾉ「…ひっどい…」





村の様子を見て私達は言葉を失う





ｻｽｹ「…」





サスケの足元に

血がこびりつき固まったぬいぐるみが転がっている

床には倒された写真立てが落ちており

写真の中にはこのぬいぐるみを抱いて微笑む少女と家族の姿がある





ｻｽｹ「…近隣の忍里は対応していないのか」





ﾉﾜｷ「湯隠れが動いてはいるようだが

あそこは忍のレベルが高いとは言い難いからな」





ﾁﾉ「木ノ葉はデカイから

衣食住が保証されてただろうけど

結構こういう理不尽な事多いよ」





チノは天井まで残る血の跡を見上げながら言う





ﾁﾉ「有名どころで言えば雨隠れじゃない？

あそこは火、風、土の国に囲まれて

大国が戦争する度に巻き込まれてたんだから



…いつの時代も、どの国でも、一番割を食うのは子供ね」





先程からのチノの言い方に

気のせいかもしれないが私は何かを感じた





ｻｽｹ「…“落ちぶれの暗雷団”」





ﾁﾉ「ん？」





ｻｽｹ「昨日、イオウが言っていた

落ちぶれ、というのはどういう意味だ」





ﾁﾉ「あー、暗雷団、義賊として活動してたらしいよ」





『雷光団？』





ﾁﾉ「Aちゃん知ってるんだ！」





『名前だけね』





ﾁﾉ「悪い奴らやっつけてそいつから金巻き上げて

貧しい人に配ってたんだって」





ﾉﾜｷ「暗雷団と名を変えてからは残虐の限りを尽くすようになったようだ」





ﾁﾉ「ねー、これからどうする？

もうちょっとこのへん探ってみる？」





私達は破壊された村をもう一度見渡す



すると突然チノがその場に座り込んだ

彼女は土に耳をあてて目を閉じる





ﾁﾉ「今、揺れた気がした」





ｻｽｹ「揺れた？」





ﾁﾉ「地下水」




チノは耳を当てたまま印を結ぶ

すると彼女の体をチャクラが包み込みそれが土中へ入り込んでいく





『！』





その時遠くでチャクラを感じた





ｻｽｹ「どうした？」





ﾁﾉ「繋がった

やっぱり揺れてる…

竹ノ村の方角に何かが迫ってる…」





『集団のチャクラよ！』





チノと私は声を上げる





ｻｽｹ「暗雷団か」





ﾁﾉ「その可能性があるかも…」





ｻｽｹ「…戻るぞ」

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