俺らのマネは＊3【ハイキュー】

No.36 話題 ページ38

『もしもし』





11月中旬





『どうかした、クロ？』





思わず“クロ”という言葉に反応する



スマホに着信が入り電話に出ていいか聞いたA

電話に出ることなんて全然よかったが

よりによってトサカクンか…





＊





黒「“あー、いや、な”」





『？』





電話に出て聞こえてきたクロの声は珍しく控えめ





黒「“Aに、ってのは悩んだんだが

それでもやっぱり声聞きたかった”」





……あ

もしかして





『東京明日から最終予選だよね

緊張してる？』





黒「“！”」





やっぱりそういうことね





『クロのことだから、隠しても分かるよ』





黒「“さっすが”」





なんて言って笑う声が聞こえ少し安心したその時





『！』





背中をスッと撫でられた

今そんなことをする人なんて徹しかいない



振り返ろうとすると今度はお腹に徹の手が回され

背中に温もりを感じる



そしてスマホがある側とは反対の肩に徹は顔をのせてきた





及「いいよ続けて」





囁く徹の声がしっかり聞こえる





『！』





黒「“A？”」





『えっ、あ、ん？』





黒「“いきなり静かになったから

どうしたのかと思って”」





『あ…ああ、ごめん

何でもないよ』





黒「“そうか”」





『うん』





黒「“なあ”」





『ん？』





黒「“なんか話してくれよ”」





『え、何それ』





黒「“少しは気が紛れるかもしれねーじゃん”」





『んー、そうだね

でも突然そんな事……あ』





黒「“お？”」





『これ言っていいか分からないけど』





黒「“言え言え！”」





『ミカちゃんと大将別れたらしいよ』





黒「“マジか！”」





どうかと思ったがしっかりこの話題に食いつくクロ





不思議な繋がりでミカちゃんは

私のユースで一緒の友達の友達で

たまたま知り合った



大将の方は私がクロといた時に

ミカちゃんとデート中の彼にばったり会って知った



ま、そんな感じだ





黒「“マジかー！

なんとなくだけど大将が振るワケねーよなァ”」





ミカちゃんの方が大将は部活ばかりだ

そう言って振ったことは知っていたが

それは黙っていることにした



私が話題にしておいてあれだが

どうせ男子高校生はこの話題で相手をおちょくるだろうから

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