�� ページ12
「とりあえず、同居するに至ったいきさつを詳しく話してくれるかな？」
まふをリビングに招き入れてソファに座らせたAは開口一番彼に尋ねていた。
「あー、お茶でいい？」
肯定の返事を返しつつキッチンに立つ彼女を見て、まふは、
これから、Aとここで暮らすんだよね、なんか新婚さんみたいだなぁ。
こんなに可愛いAの姿を見れるのは、世界に35億もいる男の中できっと僕だけ……
ふふっ、もうずっと閉じ込めてたいなぁ、なーんて。
と、束縛を仄めかすような愛欲に満ちたことを考えていた。
「はいお茶、粗茶だけどね」とローテーブルの上にお茶を出すと、彼女は彼の隣に腰かけた。
「…で、何でおば様は同居するように言って来たの？」
ふぅ、と一息ついた彼女はあらためてまふに質問した。
「まず、僕が『Aのうちに行くけど、保健室で泣きながら寝言言ってて何か心配だから今日は泊まるかも』って言ったんだ。そしたら母さんが、『だったらAちゃんと一緒に住んじゃいなさいよ、防犯上男子がいたら少しは安心でしょうし』て言ったんだよね。そんな軽く決めていいことなのかってさすがに僕も思ったからさ、訊いたんだけど、『特に問題ないわよ、今まで通りAちゃんの生活費とかの出費は工面するし』って」
途中途中にまふは母の声真似をしながら顛末を話していく。
声域が広いからか、その声の再現率は非常に高く、どこかにスピーカーが仕掛けられていて、そこから声がするのではないかと感じるほどに。
「でも、それだったら別にまふの家に行ったって…」
「それも思ったんだけどね、部屋の関係上Aが来るより僕が行った方がいいらしいよ。僕もこれでいいって思ってる。だって………」
その瞬間、まふの手によってAの視界が大きく揺らんだ。
お茶をローテーブルに置いていたのが幸いだった。
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奏斗(プロフ) - ちづさん» ありがとうございます。なかなかすぐに更新できる、ということが少ないかもしれませんが、これからもご愛読のほどどうぞ宜しくお願い致します。 (2020年4月11日 23時) (
レス) id: 18d51c2305 (このIDを非表示/違反報告)
ちづ - すごい好きです！数話しかないのに分かる、神々しい神作オーラ・・・！ (2020年4月9日 16時) (レス) id: ba7673d727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏斗 | 作成日時：2020年4月9日 0時
