威勢だけの自己紹介 ページ16
静寂を切り開いたのは志麻だった
「…ふーん。こいつ、そんなギャンブル得意なん?
俺らを楽しませるような腕があるつーことだよな?」
志麻が舐め回すように私を見ると
「…俺は乗った。たのしそうやん。」
にやっと口角を上げ後ろを振り向く
「…♤派のやつは全員この景品ゲームについての誹謗をしねぇこと。
俺が乗ったゲームだってこと忘れんなよ?
わかったな?」
紫のパラソルの下にいる人達に向かって大声で言うと
次々に「御意」なんて言葉が聞こえる
……派閥の人間を従えてたりするのかな、
「…志麻はのったな。他はどうだ。」
「俺は賛成です。♧派もこのゲーム参加します」
緑の男が目の前のチップを握るとマスターに投げた。
マスターはそれを片手で受け取ると、センラと坂田の方を見た
「僕も賛成ですね〜
景品ちゃんは残念ですけど面白そうですやん」
センラもどうやら乗り気のようでニタニタとこっちを見てくるのが気持ち悪い。
「坂田は?」
マスターが坂田の方に向き直すと黙っていた彼は口を開いた
「…俺は反対。このゲームには乗らない」
その瞬間派閥の人間がザワついた。
♡派の人間も例外ではなかった
「…本当に言っているのか?
ゲーム不参加だと今回の勝負、不戦敗になるぞ」
「あぁ、言い方が悪かったか、
開幕戦は参加せーへんだけです。
景品さんが面白いゲーム見せてくれるかどうかの価値を見出してきめます。
どうせ参加したら勝つのは僕らのとこやし、一勝くらいは他に譲ってやりますよ。」
煽るように左右に目線を向ける彼は会場内の空気を一変させ、
みんなが敵意を持ち出した時に
「…決定だ。
今回のシーズンは景品ゲームとなる。
…ほら。景品からの挨拶」
マイクを差し出されると視線がこちらへ集まる
…大人数のこういうのって苦手なんです。
すうっ、と息を吸うと
「…Aです。
別の世界線から来て、絶対元のところへ戻ります。
派閥の人間には負けません。
ゲーム、よろしくお願いします。」
勇気もないくせに強がった挨拶をしたものだ。
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カシューナッツ(プロフ) - せんぶり茶((こたぬきさん» 本当ですか…!良かったです;;考え方的にもいちばんクラブが穏やかですよねw (2020年5月10日 22時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ(プロフ) - あかなさん» ありがとうございます…!続編もどうぞお楽しみください…! (2020年5月10日 22時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
せんぶり茶((こたぬき - すごく面白かったです!! 私はクラブ派だなー (2020年5月10日 12時) (レス) id: 8f7fc2a813 (このIDを非表示/違反報告)
あかな - 初めて小説で一気見してしまいました。。。本法に面白かったです。続編も楽しみにしてます! (2020年5月10日 1時) (レス) id: 538da1fbd2 (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ(プロフ) - 澪華さん» わわっ!;; カジノだと普通のルーレットかなと思われると思っていたので気づいていただけてとても嬉しいです;; (2020年5月8日 1時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カシューナッツ | 作成日時:2019年10月9日 22時