ダーツの才能 ページ27
こんこん、扉をノックする
「…志麻さん?」
少し抑え気味の声は中の彼に届いたようで
「おー、Aそのまま入ってきていいぞー」
なんてぶっきらぼうな声が聞こえる。
「…失礼します。」
遠慮気味にノブを回すと、
ダーツをする志麻さんがいた。
「おーA、部屋やろ?ちょい待ってな〜」
部屋の奥にある的へ向かって矢を投げる。
…20のトリプルだ。1番の高得点。
「うしっ!決まり〜」
ガッツポーズをする志麻さんはダーツが上手みたい。
投げる時の姿勢も、背筋がとても綺麗だった。
「…志麻さん、お上手なんですね。」
「まぁね〜、Aもやる?」
ん、って差し出してきたのは紫の矢。
明日やらなきゃいけないし、どうせなら。
「ありがとうございます。ぜひ」
3本貰って試し投げをする。
…狙いはダブルブル。
ダンっ!と大きな音を立ててダーツボードに刺さる矢が入っていたのは
17点のところで。
もう1回、とやるが結局3回して刺さったのは通常点の所ばかり。
ほんとにこういう才能、ないんだよなぁ。
矢を取りに行くと、後ろから笑い声が聞こえた。
「A、それ本気なら明日やばいかもね〜!
まあ明日は多分ゼロワンだから大丈夫しょ」
なんてお腹を抑えながら言われても煽りにしか見えませんが。
「…才能ないもんで。」
少し頬を膨らますと、彼は先程より大きな声で笑った。
「お部屋…案内お願いします。」
笑い続ける彼に、声をかけると
「ああ、部屋やろ?
ごめんけど準備間に合わへんかったから今日だけ俺の部屋でもええ?」
…マスター、今日だけマスターの部屋じゃだめですか?
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カシューナッツ(プロフ) - せんぶり茶((こたぬきさん» 本当ですか…!良かったです;;考え方的にもいちばんクラブが穏やかですよねw (2020年5月10日 22時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ(プロフ) - あかなさん» ありがとうございます…!続編もどうぞお楽しみください…! (2020年5月10日 22時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
せんぶり茶((こたぬき - すごく面白かったです!! 私はクラブ派だなー (2020年5月10日 12時) (レス) id: 8f7fc2a813 (このIDを非表示/違反報告)
あかな - 初めて小説で一気見してしまいました。。。本法に面白かったです。続編も楽しみにしてます! (2020年5月10日 1時) (レス) id: 538da1fbd2 (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ(プロフ) - 澪華さん» わわっ!;; カジノだと普通のルーレットかなと思われると思っていたので気づいていただけてとても嬉しいです;; (2020年5月8日 1時) (レス) id: ce13abbe74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カシューナッツ | 作成日時:2019年10月9日 22時