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ほぼ半泣きで男からの攻撃を躱しているけど、変わらず太宰さんはにこにこと観戦しているだけ。正直もう限界なので助けて欲しい。
「 太宰さ、…わ! 」
ぐき、と足首が捻った音がした。そのせいで腰から転んでしまう。嗚呼、僕は本当にこのままこの男に殺されるのかもしれない。恐る恐る男を見上げた。
「 ふふ、ふは、ははは!もう逃げらんねェぞ…覚悟しろ!! 」
「 ひ…! 」
空中に浮かんでいた物が全て矛先が僕に向いた。アッこれ死ぬ。ぎゅ、と目を瞑って来る衝撃に備えた。が。
「 っ…? 」
待てども、その恐れていた事は起きなかった。どういうことだ、目をぱっと開けると1番に視界に入ったのはフリルの付いたスカァト。次に、そこからすらりと伸びる白い足。…もしかして…
『 はわ〜セーフです?ギリ? 』
「 ナイスタイミングだよAちゃん!流石私のAちゃんだね 」
「 ッA、さん…!? 」
はあいと呟いて僕を振り返るAさん。その手にはよく手入れされているであろう刀。もしかして、それで僕を助けてくれたのだろうか。だとすれば、格好が良すぎる。
「 ってなんで、なんで此処に…! 」
『 太宰さんから連絡貰ったの〜だから飛んできちゃった 』
キン、と刀を鞘に戻しながら少し崩れた髪を治す仕草が色っぽい。そして、まだ彼女の崩れた口調には、慣れない。僕だけ特別って感じがして、ドキドキしてしまう。
『 …それで、この人どうしましょうか太宰さん 』
「 そうだねぇ…中也にでも送り付けてくれるかい?リボンを付けて綺麗に包装して 」
『 あら、きっと中也さんも喜びますね。だって彼この間愚痴ってましたもの、この人について。きっとポートマフィアにも同じ事したのかも。
だから丁度良かったですね! 』
ほら行きますよ〜と気絶している男の足首を持ってずるずると引きずって行くAさん。
…あ、助けてもらった御礼をまだ、伝えられていない
「 …Aさん!! 」
気が付けば随分と遠くにいる彼女が聞こえたのか否か、僕を振り向くも手を軽く振られただけで、また前を向いて歩いていってしまった。
…御礼、伝えたかったのだけど、どうしよう
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零桜 - すっ、好き…冥途ちゃん。はわ、可愛い。更新待ってます! (9月18日 8時) (レス) id: fe567fe024 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - アァ‼︎終わらんとってぇ〜‼︎ (2022年12月7日 21時) (レス) @page29 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 続き待ってますぅ!! (2022年6月9日 16時) (レス) @page29 id: 41724ba062 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライのカス - え、え、え??か、可愛い…え?好き…お、?面白い…好き!!!!!! (2021年12月1日 17時) (レス) @page15 id: fb2299d8e5 (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - オープニングが素敵すぎる…!!主人公も魅力的だし、これからが楽しみです!頑張ってください〜! (2021年11月23日 22時) (レス) @page3 id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷぷ | 作成日時:2021年11月22日 1時