依頼後 ページ11
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『 …ん、…あ…? 』
芥川により気絶させられたAが次に目を覚ましたの場所は見知らぬ天井…ではなく幾数回か訪れた事がある天井。否、訪れさせられた、と言うべきか
ふわふわのベッドからゆっくり体を起こす。毎度の事ながら、随分と丁重にもてなしてくれるものだなとAは一人思った
「 起きたか 」
『 わあびっくり… 』
未だ焦点の合っていない目でぼお、としていると横からかけられた声。声の主は芥川であった。彼女はベッドの横に人がいることに全く気づかなかった
「 気分はどうだ 」
『 お陰様で首が痛いです 』
「 そうか 」
『 そうです
…あの、手 』
ぎし、と軋む音を鳴らしながらベッドに乗り、彼女の手と自分の手をすり、と絡める芥川
「 …小さい 」
繋がれた手を自身の目の高さまで上げ、まじまじと見つめる芥川。Aは視線が少し擽ったく感じている
「 …やつがれも 」
『 ? 』
「 …やつがれにも敬語を外せ 」
…なんだ、そんな事。Aは柔らかく微笑んだ
芥川はよく彼女を気絶させ此処へ運び込み、2人きりになってから甘えてくるのだと最近分かってきたA。甘える時も、人がいる前でしづらいお願い事も、全て2人きりにならないとしない男なのだ、芥川は
『 それはお願い事?それともお困り事ですか? 』
芥川はムッとして「 …どっちもだ 」と答えた。2人になると表情が豊か(当社比)になる彼が可愛くて、Aはついつい言うことを聞いてしまう
『 …分かった、早く慣れるように、頑張るね
龍之介くん 』
「 !! 」
Aの特技は人が今1番言って欲しい事、して欲しい事が分かること
彼女が今初めて芥川を下の名前で呼んだということは、彼が今心の内でそう呼んで欲しいと願った故である。そのお陰で彼は驚きのあまり目を見開いている。どこか嬉しそうな、恥ずかしそうな空気を漂わせて
「 …A 」
『 なあに龍之介くん 』
「 …慣れぬ 」
『 ふふ、私も慣れない 』
「 …だが、 」
『 辞めないで、って? 』
中った?なんて意地悪く聞くAに彼はまた、顔を少し赤くして俯くしか無かった
手はまだ、繋がれている
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零桜 - すっ、好き…冥途ちゃん。はわ、可愛い。更新待ってます! (9月18日 8時) (レス) id: fe567fe024 (このIDを非表示/違反報告)
瀬羅 - アァ‼︎終わらんとってぇ〜‼︎ (2022年12月7日 21時) (レス) @page29 id: 3328415a9f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - 続き待ってますぅ!! (2022年6月9日 16時) (レス) @page29 id: 41724ba062 (このIDを非表示/違反報告)
アジフライのカス - え、え、え??か、可愛い…え?好き…お、?面白い…好き!!!!!! (2021年12月1日 17時) (レス) @page15 id: fb2299d8e5 (このIDを非表示/違反報告)
もちのあじ(プロフ) - オープニングが素敵すぎる…!!主人公も魅力的だし、これからが楽しみです!頑張ってください〜! (2021年11月23日 22時) (レス) @page3 id: f3a193ffbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷぷ | 作成日時:2021年11月22日 1時