【DIABOLIKLOVERS♪紅色に染まる少女】

episode8〜初キス！〜 ページ10

〜in夢の中〜
(う…ここはどこ？)

気がつくと、私は真っ暗なところに立っていた。

見渡す限り、闇の世界。

そんな中、私は見慣れた男の子の後ろ姿を見つけた。

(アヤトくん…！)

私はアヤトくんのもとに行こうとした。

けど、また胸が苦しくなった。

その場に横たわり、なんとかアヤトくんに腕を伸ばす。

でもアヤトくんは無視して歩き出した。

私「お願い、アヤトくん…！私を1人にしないで…！」

けどその思いはむなしく、アヤトくんは姿を消した。

(私、これからどうなるんだろ…)

〜元の世界 NOside〜
私「アヤト…くん…」

Aが意識を手放そうとした瞬間だった。

アヤトがAの手を引っ張り、唇を重ねた。

つまり、キスをしたのだ。

〜貴女side〜
私はしばらく、呼吸が苦しかった。

けどふっと呼吸が軽くなった。

私「…っ…」

私はうっすらと目を開けた。

すると、アヤトくんの顔がすぐそばにあった。

口には柔らかな感触。

私は目を見開いた。

(もしかしなくても、キスしてるの？！)

そう気が付いた時、アヤトくんが口を離した。

アヤトくんの顔は、少し赤く染まっていた。

私はうつむき、赤くなった顔を落ち着かせた。

すると、アヤトくんは私を腕の中に抱き抱えた。

(今日２度目のお姫様ダッコだ…)

アヤトくんはそのまま歩き出した。

しばらくして、大きな洋館が見えてきた。

(もしかして、あれがアヤトくんの家？)

ア「あの家がオレ様の住んでる家だ」

まるで私の問に答えるかのように言った。

(凄い…アヤトくんって貴族なんだ)

感心していると、ずっと気になっていたことを言った。

私「ねぇ、何で私をアヤトくんの家に呼んだの？」

すると、アヤトくんが口を開いた。

ア「オマエを１人にしたくなかったんだよ…なんつーか、オマエがいねぇとオレがつまんねぇから…」

まるで言い訳でもするかのようだった。

(アヤトくん、私のことそんな風に思ってくれてたんだ…)

私は感動し、目からポロポロと涙がこぼれた。

そして思った。

(アヤトくんにだったら、吸血されてもいいかも)

私の中で吸血鬼は怖くないかもしれないと思い始めていた。

彼のおかげで…

私は微笑んだ。

私「アヤトくん、ありがとう…これからよろしくね」

アヤトくんも笑った。

ア「こちらこそよろしくな。A。」

その笑みはとても明るく、生き生きとしていた。

それを見て、私はなんだか嬉しくなった。

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