ただ、傍にいるだけ。 2【忍足侑士】

By your side_59 ページ15

さっき、跡部が送り出した彼も料理を持ってきて騒がしい食事が繰り広げられた

私のことを「お姉様、お姉様！」としきりに呼んでは構ってほしそうにする長太郎とは違い

若は食事を終えてから跡部にしか目がいってない

溜息を吐いた私は仕方なく、跡部に声を掛けた



「……ねえ、跡部」

「アーン？お前から声を掛けてくるなんて珍しいじゃねぇか」



何でそんなにニヤニヤ笑うんだ、鬱陶しい

こんなことなら、当初の予定通り榊先生経由で落とすんだった



「……最終的なお伺いは榊先生にするけど

来月の交流日に私のパートナー二人、テニス部の見学させてあげたいんだけど

そう言うのは可能？」

「ほう…テニス部の見学な」



何か言いたげに私を見てきた

……そういえば、コイツ…前に私にマネージャーになれとか言ってたな

丁度いい機会とでも思っているのだろうか



「多少の条件は飲むにしても“アレ”に関しては却下よ

そこまでする義理はない」

「まあ、そうだろうな」

「予想がつくなら諦めたらどう？」

「一筋縄でいかねぇことぐらいわかってるからな長期戦にしてもいいと思ってやってんだ

俺様との根競べとでも思ってろ

安心しろ、今回のことに関してそれで押し通そうなんて思っちゃいねぇよ」



じゃあ、何だっていうんだ

さっきの訳の分からない行動は…相変わらず、コイツは意味不明だ

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