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生きろ ページ25

敦side




風が吹いている。




フードをとり、白い髪が靡く。


其の後ろには僕がいる。情け無い僕がいる。


2人は歩いている。




彼女の足は止まる。



A「彼の人は云った。私が殺しを続けないと意味がないと、でも、私はもう無意味な殺しなんてしたくない。だから私は生きていていけないの。だから、私は貴方に殺して貰いたいの。」



彼女が探偵社から出た理由の一部に過ぎなかった。ほんの一部。恐らく大体の理由は違うのだろう。



A「貴方の半人半虎なら、虎なら私が此の手袋を外さない限り、私を殺せると思うの。
其れに、もう良いの、疲れました。」

敦「僕の異能力は、人を殺す為にあるんじゃない。君だってそうだよ。」


そうなんだよ、僕だってそうだった。


敦「異能は支配する為にあるんじゃない、君は違ったとしても、僕は大いにそうだ。僕達は人なのだから。人は生きてと云われなきゃ生きてけられないんだ。とても簡単なことだよ。君は死にたいとは云ってない。殺して貰いたいと云ったんだ。自らの死を望んでいない、本当は生きたいんじゃないのか。例え君が生きろと、他の人に生きろと云われなくてもいい。だからって君が死ぬことはない。少なくとも僕、探偵社の皆んなはそんな事望んでない!見捨てない!誰に云われようが云われなかろうが僕が云ってやる!僕がAちゃんに生きろって云ってやる!何度だって云ってやる!解って呉れ、否、覚えておいて呉れ、望む人が、見捨てる人がいるとしても、僕は違う、探偵社は君を見捨てないから。」





少し云い過ぎたかな、


でも、


此れでAちゃんが考えを変えて呉れるのなら僕はそれで、良い。





ただ、目の前にして、彼女を死にゆく方向に行かせたくなかったからだ。







Aちゃんから水が一筋、頬を伝っていく。





其の水は彼女の異能などでは無く、目から出ていた水であった。






孰れは、一筋では無くなる。




声をあげて、喚いて、目を擦って、朱くして
ただ目から涙を零していた。




僕の言葉、届いたかな。



少しでも想いが変わって呉れば良いのだけれど

ね。

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設定タグ:文スト , 中島敦 , 芥川龍之介   
作品ジャンル:アニメ
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梅雨椪 - 青空と雨さん» 実際、私も小説描くの未だ未だ初心者ですから、書いてるうちに慣れてくると思いますよ!(私もそうでした)私は自分のオリキャラに文豪達を只巻き込んでいるだけなので、主人公のキャラ設定さえしっかりしていれば書けると思います!素敵なコメント有難う御座います! (2019年8月7日 2時) (レス) id: dd9330d6af (このIDを非表示/違反報告)
青空と雨 - 梅雨椪さん» めっちゃ面白かったです!どうやったらそんなに上手く小説が書けるんですか…?私の書いてる小説、全然ダメで…凄く羨ましいです! (2019年8月2日 22時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
梅雨椪 - これからも頑張ります!どうぞ宜しくお願い致します! (2019年7月25日 2時) (レス) id: dd9330d6af (このIDを非表示/違反報告)
梅雨椪 - 有難う御座います!頑張ります! (2019年6月8日 0時) (レス) id: 7128cd4b8b (このIDを非表示/違反報告)
ピンポン - 敦くんが「生き別れの妹です!!」って言った時は笑いましたww更新楽しみにしてます (2019年6月8日 0時) (レス) id: fabb623d55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:梅雨椪 | 作成日時:2019年6月6日 22時

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