【ヒプノシスマイク】大人びた幼馴染 2nd Album

24.憂鬱モーニングコール ページ44

「あんた、彼のことも100パー信頼してないでしょ」


騒がしい教室の片隅で、あいつは私に、笑顔でそうのたまった。




高くて上品で、それでいて騒がしい音で目が覚めた。例えるなら、風鈴の音に祭囃子の鈴の音を混ぜた感じ。綺麗な音だけど朝に聞くのは大分ダメージがくる。
その音が自分の着信音だと気づくのに少し時間がかかってしまった。寝覚めは頭が働かなくて困る。

枕の側で音を立てる携帯を掬い上げてディスプレイを見て──表示された名前に目を細めて拒否のボタンをタップした。
途端に切れる着信音。手にしたままの携帯をお腹の上に乗せて、もう一眠りしようた瞼を閉じた、ら。

再度鳴き出す着信音。ほたっとけば切れるだろうと思い応答せずにいれば、それでもしつこく鳴り響くのだからひとたまりもない。
ああああもう。仕方なく応答のボタンをタップして携帯を耳に当てた。


「…………何の用？」

『やぁっと出た〜、おっそいよも〜』

「うるせぇうぜぇ用件はなんだ」

『言葉に棘がありすぎるよね〜！ 嫌いじゃないよそういうの！』

「切っていいですか」


朝っぱらからなんでこいつはテンション高いんだろう。頭おかしいんじゃなかろうか。


『いや〜さ〜、この前の手伝いの時、あんた死にそうな顔してたからさぁ。大丈夫だったかなって』

「おかげさまで熱が出ましたけどなにか」

『あっははやっぱり〜？ だと思った。でもあれでしょ、もともと前の日から具合悪かったんでしょ？ ほぼ自業自得じゃんね？』

「否定はしないけどあそこまで激務だと思わなかったんです〜」

『まあね。でもいいじゃん、臨時手当出たんだしさ。いつものことだけど女だけ』

「なんであの研究所、そんな待遇なのに男の人働いてんの？」

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