始まりの風(23‐4) ページ31
この答えが正しいのか。
わたしには分からないし、きっと他の影たちにも分からないと思う。サスケくんの心に届いたのならそれでいい。
わたしやイタチが背負った業は、確かに重たいものだったかもしれない。それでも……わたしたちにとってそれは、夢を叶えるために必要な礎だったのだ。
もっと良い最善手があれば、もちろんその手を選択するだろうが……なければ、何度でも同じ業を背負う。それがわたしやイタチにとっての犠牲なのだ。
ただ、これだけは言える。
この気持ちは断じて、ただの自己犠牲精神ではない……と、わたしは思っている。
周りから見れば背負いすぎに見えるかもしれないが。
『もう少し、オレを頼ってくれ』
そういって、寂しそうに笑った横顔がふとよぎる。
そっくりそのまま言葉を返してやりたい気持ちを抑え、その肩に寄り添っていた。
暖かい彼に寄り添っている時間があの頃は一番幸せだった。口下手で、不器用な彼だったけれど……溢れるほど、たくさんの優しさをいつもその心の中にたたえていた。
「……ソラ、また兄さんのこと考えてるだろ」
「……そんなことないわよ」
しらー、とした視線から顔を逸らす。
そういえばここには昔からわたしたちのことを見ている少年がいた。恥ずかし恥ずかし……。
「ち、ちなみにサスケくん……うちのソラとおたくのお兄さんってその……やっぱり……？」
「……オレからは何も」
にっこり笑って拳を握りしめておけば、サスケくんはそう言葉を濁してくれた。
だって、居心地悪いじゃない？十数年ぶりの再会の父親に、自分のそういう関係知られるの。
なんだかお父さん、死にそうな顔してる気がするんだけどわたしの気のせい……よね？
「ミナトや……娘とはいつか、巣立つものじゃぞ……」
「わかってます、わかってますけど……僕の中のソラはまだパパのお嫁さんになるって言ってくれてた時期で止まってるんです……」
「……言っていたかのぅ？」
「２、３歳の頃は言ってくれていたんです……！」
「……コホン。
サスケくん、わたしそろそろ消えるわね」
今にも泣き出しそうな父親を見るのは、さすがにいたたまれなくなつてきたので分身を解いてそろそろ戦地に赴こう。
「……あぁ、色々……ありがとう」
そう会話を交わし、まだ色々話したそうな父を尻目にわたしは分身を解いた。
「戦地で会いましょう、父さん」
今まで積み重ねてきたもの。その全てを見せるため、わたしは戦地へと向かうのでした。
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ミホ(プロフ) - もう更新されないんでしょうか？続きめっっっちゃ気になるんですが… (2月17日 4時) (
レス) @page32 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
エト - 更新…もうないですか、ね？ (1月3日 23時) (レス) @page32 id: 53a5d8cca3 (このIDを非表示/違反報告)
チエ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！！頑張ってください (9月22日 20時) (レス) @page32 id: 0340e8ceef (このIDを非表示/違反報告)
エト - 更新いつまでも待ってます (7月2日 1時) (レス) @page32 id: 9ac7eba60a (このIDを非表示/違反報告)
紗菜 - 更新、楽しみに待ってます。無事完結したら、BORUTOに続いて欲しいです。 (2022年12月11日 17時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
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