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始まりの風(18-1) ページ21

「もし、ここにソラがいればきっとお前をとめたはずだ。あいつは父親によく似て、心配性だったからな」

「……」

戦場へと向かおうとするナルトたちを止めるため、私はソラのことを持ち出した。といっても、ソラとそこまで関わりがあったわけではない。それでも自来也から聞きかじっていた話だけで、彼女が父親似であることはうかがい知ることができた。
母親に似て、一度決めたらテコでも動かないナルトをとめられるのは父親似のソラだけだろうと思う。だが、今ここにソラはいないのだから何とかしてこちらでとめるしかない。もしこの話題で無理なら、お手上げだ。

「私は自来也に聞いた話の中でしかソラを知らない。
そんな私でもあの子が父親譲りの穏やかな人間性を持ち合わせている子供だとわかった。……幼少期、姉と知らずとはいえソラと過ごしていたお前ならこういうときどう動くかくらい予想できるだろう?ナルト」

俯いて黙るナルトに淡々と声をかける。
実際、ソラがナルトを止めるのかどうかはわからない。
止めるだろう、とは思うがソラの父親であるミナトもあれはあれで頑固で気難しい一面も持っていた。

……横にいたクシナに比べれば、屁でもない気難しさであったが。

「……確かにねーちゃんは止めるかもしれない」

ぽつりとナルトが呟いた。

言葉は届いたのだろうか。
じっと正面に立つナルトを見つめた。

「けど」

かち合った視線から変わらぬ強い光が届いた。
それだけで、言葉の続きが聞こえた。

「オレが行くって言ったら、ねーちゃんは背中を押してくれる。背中はわたしが守ってあげるから、好きなようにやりなさいって。ねーちゃんはきっと、そう言う」

その言葉に、自来也と話した時の記憶が脳裏によぎる。

『ミナトのやつにのぉ、クシナの手綱を取るのは大変だろう?と話になってな。オフレコでお願いしますよ〜とか言うもんだから、てっきり夫婦の愚痴でも出てくるのかとわくわくしておったら「こうと決めたら譲らない人だから……進んでいく姿を追いながら、彼女の背中を守ります。」だと。結局惚気られただけで終わってしまった』

おぇえ、と砂糖を口いっぱいに含んでしまったような顔をしながら自来也はぼやいていた。

「……ソラらしい、と言うべきか」

「?」

きょとん、と首を傾げるナルト。自分の弟、縄樹の顔が重なる。縄樹は幼くして死んでしまったが……もし、縄樹が生きて、大きくなっていたら。
こういう時どういう決断を下したのだろう。

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ミホ(プロフ) - もう更新されないんでしょうか?続きめっっっちゃ気になるんですが… (2月17日 4時) (レス) @page32 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
エト - 更新…もうないですか、ね? (1月3日 23時) (レス) @page32 id: 53a5d8cca3 (このIDを非表示/違反報告)
チエ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!!頑張ってください (9月22日 20時) (レス) @page32 id: 0340e8ceef (このIDを非表示/違反報告)
エト - 更新いつまでも待ってます (7月2日 1時) (レス) @page32 id: 9ac7eba60a (このIDを非表示/違反報告)
紗菜 - 更新、楽しみに待ってます。無事完結したら、BORUTOに続いて欲しいです。 (2022年12月11日 17時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノアまる | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年5月17日 0時

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