始まりの風(17) ページ20
「……始まったのね」
「……」
「サスケくん、あなたはどうするの？」
「……兄さんに会ってくるよ。もう、逃げない」
崖の上で、朝焼けを眺めながら2人は最後の対話を行う。
つい先日、風影である我愛羅が第四次忍界大戦の始まりを告げた。尾獣たちを守るための戦い、としてナルトやキラービーたちには結局何も告げられることはなかった。
あの2人が真綿に包まれるような扱いを是とする訳がない。
そのため、真実が知れるのは時間の問題だとは皆気付いている。けれど、それを頭では止められると思っている。
心では、止められない、と知っているのに。
「……ソラは？」
「まだ、修行が終わっていないの。
あと少し……取っ掛りがつかめなくて」
間に合わなければ諦めるわ、とソラは肩を落とした。
「ソラにも出来ないことがあるんだな」
「あなたのお兄さんがド天然なのと一緒よ」
「……」
少し拗ねたような声音にサスケはフッ、と笑う。
共にすごした日々はソラにサスケの成長を知らせ、サスケにソラの弱さを見せた。
それは、ソラはナルトの成長に思いを馳せ、サスケがイタチの弱さを受け取るきっかけとなっていた。
「ソラは、さ」
「なに？」
「兄さんのこと、好き？」
「……そうね。捨てられないくらいには、大事ね」
「……」
「どうしたの、サスケくん。幼児退行？」
「うるさい」
からかうような気配を感じ、そっぽを向いた。
後ろから微かな笑い声が聞こえる。
「生き残ってね、サスケくん」
「……アンタもな」
風が逆巻き、一瞬のうちに後ろからソラの気配が消えた。
しばらくして振り向き、サスケはため息をついた。
「……諦めって、中々つかないものだな」
心を聞けば諦めがつく、すんなり思いを伝えられると思ったゆえの言葉だった。しかし、諦めなどつかず、迷いもない言葉に心のささくれが少し痛んだ。
ため息をつき、迷いを頭を振って払う。
そして崖から飛び降り、目的の人へと会うために走り出す。
風がまるで、応援しているかのように背中を押してくる。
その風を背中に受けながら、サスケは薄暗い森の中を朝日の方向へと走りゆくのだった。
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ミホ(プロフ) - もう更新されないんでしょうか？続きめっっっちゃ気になるんですが… (2月17日 4時) (
レス) @page32 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
エト - 更新…もうないですか、ね？ (1月3日 23時) (レス) @page32 id: 53a5d8cca3 (このIDを非表示/違反報告)
チエ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！！頑張ってください (9月22日 20時) (レス) @page32 id: 0340e8ceef (このIDを非表示/違反報告)
エト - 更新いつまでも待ってます (7月2日 1時) (レス) @page32 id: 9ac7eba60a (このIDを非表示/違反報告)
紗菜 - 更新、楽しみに待ってます。無事完結したら、BORUTOに続いて欲しいです。 (2022年12月11日 17時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
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