始まりの風(10) ページ11
「……」
兄が雲隠れに向かったという噂を聞いた。
目を無くしたというのに、何ができるというのだろう。
もちろん、目が無かろうと強いことは知っている。だがこれから起こるものはうちはの要である写輪眼無しで立ち向かえるほど甘くはない。
確かに生死は確認しなかったが、まさか生きているとは思わなかった。そして、こんなに回復が早いとも。
三忍である綱手の医療忍術の技術を見誤ったか、とため息がもれた。
そして、影たちを残してダンゾウを追った後……そこに行方不明だったソラが現れたことも。
兄が本来うちはを壊滅させる任務を負っていたことが理解できれば、ソラの行いが理解できるのは必然だ。
……自分は何のために戦っているのか、たまにわからなくなる。
1番里に振り回されたであろう兄やソラは復讐を望んでいない。自分だけがじたばたと暴れている。まるで癇癪を起こす子供のようだ。
けれど、ナルトと拳をあわせたとき……何かがわかるような気がした。ナルトと戦えば、何か掴めるのかもしれない。
なぜ復讐を止められないのか。
なぜこうまでも里が憎くてたまらないのか。
その答えが出た時は……もう一度、兄に顔向けできるだろうか。
目を奪い、話を聞かなかった自分をまだ弟と呼んでくれるのかは甚だ疑問ではあるが……ごめんなさい、と謝りたい気持ちは胸の奥でくすぶり続けている。
ぐちゃぐちゃとまとまらない感情を抱えながら空を見上げる。
透き通った青はあの姉弟の瞳を思い出す。
濁った感情を吸い取る穏やかさをもつ姉弟。
自分が逃げてきたものと向き合う時も近いだろう、と固く拳を握る。
もう歩みを止めぬことを覚悟し、自分は青く澄み渡る空を睨み続けていた。
ー作者よりー
更新不定期めちゃくちゃですみません。
そんな作品だというのに、評価、お気に入り……果てはコメントまでありがとうございます!
そしてなんと順位がつきました!
こんな自分の好き勝手を詰め込んだ作品をたくさんの方が気に入ってくださっているようで、心からありがたく思います。
あとついでに、8月後半から9月いっぱいにかけておそらく更新全く出来ないと思います。運が悪ければ10月も……。
予定が未定ですが、必ず戻ってきて完結させますのでどうか気長にお待ちいただければ幸いです。
では、夏の暑さやコロナにも負けずこれからも読者の皆様、体調にお気をつけください。
体は資本ですよ。
それでは、また次回。
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ミホ(プロフ) - もう更新されないんでしょうか?続きめっっっちゃ気になるんですが… (2月17日 4時) (レス) @page32 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
エト - 更新…もうないですか、ね? (1月3日 23時) (レス) @page32 id: 53a5d8cca3 (このIDを非表示/違反報告)
チエ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!!頑張ってください (9月22日 20時) (レス) @page32 id: 0340e8ceef (このIDを非表示/違反報告)
エト - 更新いつまでも待ってます (7月2日 1時) (レス) @page32 id: 9ac7eba60a (このIDを非表示/違反報告)
紗菜 - 更新、楽しみに待ってます。無事完結したら、BORUTOに続いて欲しいです。 (2022年12月11日 17時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
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