【文スト】起きた瞬間キノコ踏んずけ、波乱展開の家族になった事について議論しよう。

過去編5 ページ34

山桜桃は心優しき少女であった。
それは、過去も影響するが、山桜桃の本心が【人にやさしく】と言うルールを作っていた。


〖っ…いやだ。〗
『五月蝿いなぁ』


Aの荒々しいムチが山桜桃の身体に当たった。
腕についたムチの後は赤くなっていた。


『えっと、そこを弱くして抜き取ると♪』
〖やめて、やめてくださｯ……〗


山桜桃はルールを守っていた。
そして、今も守っている。

〖ｯ…止めてっ！〗
『黙って。早くさっさとやられてくれない？』
〖うっ…ぅ……ﾋｸｯ………痛いｯ〗


山桜桃は耐えるだけだった。
薄々分かっていた。このお嬢様は強欲であり、意地悪だと。

山桜桃は体が痛くて、意識が飛びそうだった。

〖ぁ…い"っ"……ｯ〗
『…えっと、十分に痛めつけたら、あとはその傷に触れながら、コロスね。』



Aは山桜桃の腕を触り、山桜桃を殺してしまった。
山桜桃は最後の最後に泣いてしまった。
そして、小さくぼそっと嘆いていた。

〖嗚呼、もう。
こんな人生…いらない。〗


………
……
…

Aは山桜桃と同じくその異能力を使えなかった。
どうしても、痛いのだ。
耐えられないのだ。

『い"っ"…』

腕から伸びる幹が燃えるように暑い。イタイ。

クーラーをどれだけ付けても、練習しているAの体は暑いままだった。


『くそっ……痛すぎる。使えない』

Aは少し息を吐いた。

『異能力【花嵐】』
〖……？〗

そう言うと今回は山桜桃が出てきた。
Aに背を向けていた。

『！？』
〖こ、こは？……ぁ、A様〗

山桜桃が生き返ったのだ。

『なぜ生きてるの？』
〖………異能力…もしかしたら、誤作動が起きたのじゃ＿＿〗


山桜桃はそう言いかけている時、Aは山桜桃の頬を叩いた。
山桜桃は目を見開けた。


〖A…様？〗
『……あーあ、ウザイ』

Aはゴミを見る目で山桜桃を見た。

『なんで生き返るの？
死んでおけよ』

過去編6→←過去編4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す